だが中国市場で成功している自動車ブランドを見ると、わずかな車種に依存しているブランドは少なく、仮にあっても長期的な発展はなかなかできないのが現実だ。フォルクスワーゲンの強さは、「Sagitar」「Passat」「Santana」「Magotan」「Jetta」「Polo」「Lavida」「Golf」がいずれも各細分市場でトップレベルに位置していることにある。ホンダの製品構成がこうもバランスを欠いているのを見ると、同社が今後どれだけ持ちこたえられるかには疑問を呈さざるを得ない。
▽品質に高まる懸念
広汽本田のアコードが起こした「結婚式事件」騒ぎを覚えている人はいるだろうか。当時の報道によると、2005年1月9日、杭州で花嫁を迎えに行くために使われた2004年版のアコードが、衝突によって車体が二つに分断され、乗っていた5人のうち3人が死亡し、2人が負傷したという。「数カ月使っただけの新車が真っ二つとなってしまったことに、人々は驚きをおぼえると同時に、アコードの車両の品質と安全性にも疑いの目を向け始めている」
広汽本田はこれに対し、回避と沈黙という態度を取り続け、「品質とは無関係」との立場を貫いた。公式調査も広汽本田の主張を裏付けた。だが車体の分断というスキャンダラスな事件は、広汽本田の品質に対する消費者の不信の種となった。
品質監督団体「質量万里行」によると、2013年の9代目アコードにも発売以来、ブレーキの振動や車輪ハブの異常な損傷、パワーステアリングポンプの異常音などの苦情が続いている。同年11月にはガソリン漏れを訴えるオーナーが40人に達したが、ホンダはこれを「個別の現象」として取り扱っている。
▽モデルチェンジの遅さと高価格
アコードの世界市場での販売台数は2013年末までに1900万台に達した。中国市場でのアコードの意味について、あるメディアは、「広汽本田が1999年、世界同時発売となる6代目アコードを中国市場で売り出したことは、中国の自家用車の発展を速めた。その好調な売れ行きを見た大手のグローバル企業各社は、中国市場の重要性を無視できなくなった」と評価している。