日本メディアはこのほど、中国海軍の護衛艦が東中国海で5月29日、射撃用の火器管制レーダーを日本海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」とP3C哨戒機に向けた「可能性」があると政府関係者が明かしたと伝えた。現場は東中国海の中日中間線の日本側海域で、中国が開発を進めるガス田にも近いと主張している。また日本の防衛省は確かな証拠を持っていないため、「挑戦」とも言えるこの事実を公表していないという。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
荒唐無稽なこの報道は、中国の戦闘機が日本の航空機に「異常接近」したと繰り返す日本の根拠もない非難を連想させるものである。中国軍に泥を塗り、国際社会を騙すような汚いやり口であり、話にならない言いがかりである。
中国海軍の軍艦による火器管制レーダー照射という非難は昨年に引き続くものだが、今回の件に関しては、日本防衛省自身が「はっきりとした証拠がない」と明かしている。こうした不確かな情報をこの「政府関係者」はなぜメディアにリークする必要があったのか。日本政府はなぜ、こうしたつまらない手口を繰り返すのか。背後には一体いかなる企みがあるのか。
「火器管制レーダー照射」という今回の情報は根も葉もない捏造であり、軍事的知識の欠如を露呈するものでもある。大多数の国の海軍で用いられているミサイルフリゲートは、各種のレーザーや赤外線などの電子光学機器を備え、艦船に搭載された小口径の艦砲と近距離ミサイルの射撃をこれらの機器によってコントロールできる。中国海軍の戦艦が「異常接近」した日本の艦船や航空機を攻撃するなら、レーダー照射の必要はない。中国軍艦によるレーダー照射という日本側の言いがかりは、軍事的な常識を欠いたものだ。
今回の情報は前回と同様、自信のなさが露呈した。情報元の人物も明らかにされず、まるで闇討ちである。中国戦闘機の日本の航空機への「異常接近」にせよ、火器管制レーダーの照射にせよ、日本は、事件発生の具体的な海域を示していない。つまり、こうした「危険」な行動はいずれも、中国の戦艦が普段のパトロールと訓練を行う中国近海もしくは東中国海の海域で起こっているのである。こうした海域で普段の活動を行っている中国軍艦に日本の戦艦や航空機が自ら「異常接近」し、緊張状況を作り出していることをはっきりと認識しているのだ。