これについて中野良子は、「中日間の架け橋になりたいと思っています。たとえ両国の人々が互いのことを誤解していたとしても、交流を通して解決できると信じています」と語る。
最近、芸能活動をあまり精力的に行っていない中野良子だが、それでもやはり中日のテレビ・映画界とは切っても切れない縁がある。広州アジア競技大会の閉幕式で日本の童謡「さくらさくら」を歌ったり、昨年公開された中国映画「不肯去観音」(行かず観音)で中国の実力派ベテラン女優の斯琴高娃(スーチン・ガオワー)との共演も果たしている。
中野良子は、「中国のテレビ・映画界の俳優と共演したのは、1回だけではありません。周りすべてが中国語という環境の中で役を演じることは非常にエネルギーを消耗しますが、1回、2回と経験を積むことで、今では中国の俳優さんと非常にスムーズに共演できるようになりました」と語る。
中野良子はこれまでもずっと中国映画の発展に注目してきたという。最近、見た中で最も気に入ったのは、呉宇森(ジョン・ウー)監督の「レッドクリフ」。中野良子は、「レッドクリフ」の劇中のアクションシーンを身振りや手振りを交えて再現しながら、次のように語った。「中国語映画は中国文化の特色を持つべきであり、一部の古代の文化や物語も、中国人自身にしか撮れません」。
実のところ、日中交流を推進する中で、中野良子が見つめているのはテレビ・映画、音楽業界だけにとどまらない。
「実際、両国の企業同士のコミュニケーションも非常に重要で、両国民の旅行や訪問を促進することも大事です。初期の頃は、日中交流を推進する際、いつも1人で模索しているような気持ちになりましたが、今は、より多くの人が日中友好・交流の事業に参加してくれることを期待してますし、また参加してくれると信じています」。
取材を終える直前、中野良子は自ら丹精込めて作った日中友好・交流の歴史をまとめた写真集を見せてくれた。それは分厚い辞書のような厚さがあり、それぞれの写真には日中二カ国語による丁寧な紹介文が添えられていた。
中野良子は、「30数年間、映画と中国人と出会えたことで、それぞれ美しい思い出が残りました。これらのエピソードは、今後も決して忘れないでしょう」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年6月19日