ワールドカップの開幕を目前に控え、ビジネス界の「祭典」がすでに幕を開けている。競技を取り巻く金や資本には、スポーツが本来もつホルモンの匂いがぷんぷんしている。「北京晨報」が伝えた。
今回はワールドカップ史上、投資規模が最大かつ最も高価な大会になる。中国チームはリオデジャネイロへの冒険に旅立つことはできなかったが、中国市場はそんなことにお構いなくワールドカップで大いに沸き立っている。
すでに興奮気味にブラジルへ飛んだ中国メーカーがどんな歴史を作り出したかは言うに及ばず、中国国内の関連産業も驚くべき動きをみせている。ビールメーカーやスポーツ用品ブランドはいつものように金に糸目を付けず、新旧メディアはさまざまにそろばんをはじき、大画面のスポーツ仕様テレビや関連の貴金属も売れ行きは好調だ。
電子商取引(eコマース)や街角の一杯飲みの串焼き屋台も準備万端で、サッカーファンの飲食やトイレの需要を待ちかまえる人もいる。宝くじ販売サイトは試合結果を予測したホーキング博士と一緒になって大騒ぎし、ゴールドマン・サックスのバンカーたちも予測をうち出した。「ワールドカップの呪い」(W杯開催年には金融市場に危機が訪れるというジンクス)と言われながら、株式投資家たちは我慢強く投資チャンスを探している。
今大会に中国チームは出場しないが、中国人にとってワールドカップの価値は少しも変わっていないし、4年分のパワーを応援に振り向けようやる気満々だ。この世紀のスポーツの祭典を前にして、興奮と熱狂が初夏の主旋律になるとみられる。
メディアから広告主まで、商店から消費者まで、それぞれの役割を果たそうと準備は始まっている。今大会に「巻き込まれる」中国人は数億人に上り、金を使うのに忙しい人もいれば、金をもうけるのに忙しい人もいる。低迷気味の経済にとってはこのような全国民的な刺激が必要とも考えられ、カンフル剤を打つ場所は広告産業や営業販売の分野だ。