8大科学設備、嫦娥3号の月探査を力強く支援
月探査機「嫦娥3号」は月面着陸に成功すると、ランダー(着陸機)と月面ローバーに分離される。この2台の設備は月に上陸した2つのロボットとなり、月の虹の入江地区で天体観測・地球観測・月探査を協力して実施する。広漠とした月面にあっても、この2つのロボットが寂しさを感じることはない。無線通信により相互交流でき、また数十万キロ離れた地球とも通信できるからだ。人民日報が伝えた。
この2台のロボットは全身に「目」を持ち、遠くと近く、宇宙の奥深くが見えるばかりか、月の深い地下まで見渡すことができる。ランダーと月面ローバーには、合計で8つの「目」に相当する設備がある。これは専門用語で、科学探査の「ペイロード」と呼ばれる。
これらの「目」を通じて、嫦娥3号の3つの目標(月の地形および地質構造の調査、月面の鉱物の組み合わせと化学成分の総合分析、月面からの地球・宇宙環境の観測)が実現される。
設備を搭載するスペースに限りがあるため、これらの科学設備の設計は多くの厳しい課題に直面した。総重量140キロの月面ローバーを例とすると、ペイロードは十数キロのみだ。そのため月面ローバーの「目」は、出来る限り軽量化しなければならない。
◆ランダーの設備
・地形撮影用カメラ。着陸地点の光学画像を獲得し、月面の地形の研究に用いる。同カメラは軽量でエネルギー消費量が少なく、動画を撮影できる。しかし使用寿命は15日のみで、月面での作業時間は月の日中の時間に相当する。
・着陸用カメラ。着陸の過程においてのみ使用される。同カメラは探査機の着陸の過程において、月面ローバーが走行するルートの詳細な地図を撮影し、月の地形的特徴を白黒の画像にする。
・月面からの天体望遠鏡。人類が初めて「天文台」を月に上陸させ、月面から宇宙空間を観測する。同望遠鏡は一年間連続で使用される。
・極紫外線カメラ。世界で初めて月面で使用される極紫外線の波長のカメラになる。同カメラはランダーの上部に取り付けられ、月の安定的な真空環境を利用し、月周囲のプラズマ層を1年間に渡り安定的に観測する。これは太陽と地球の相互関係の理解を深める一助となる。