8大科学設備、嫦娥3号の月探査を力強く支援 (2)
◆月面ローバーの設備
・パノラマカメラ。これは20数センチ離れた2台のカメラによって構成され、異なる角度から目標物を捉え、立体化する。2台のカメラはいずれもカラーで、色彩のあるスペクトルの判断に用いられる。同カメラの任務はランダーおよび国旗の画像化で、科学目標は月面の地形の探査だ。
・月探査レーダー。これにより月面ローバーの走行中に、月の土壌の厚さを測定できる。同レーダーは主に月の土壌の厚さ、岩石の浅層構造の測定に用いられ、測定可能な深度は数十メートルとされている。
・赤外線分光計。赤外線・短波赤外線の二つのバンドによる作業が可能だ。そのうち赤外線はスペクトルを詳細に観測し、異なる物質を判断する。月面ローバーの走行中、分光計は走行方向にそって画像化を実施し、月面の物質の成分を測定する。
・粒子X線分光計。主にX線により月の鉱物の化学成分を分析し、測定の必要があれば自らX線を放射する。
◆砂塵が設計・開発の課題に
月の環境は熾烈を極め、昼夜の気温差は摂氏300度以上に達する。また着陸後は砂塵が舞いやすく、設備の正常な稼働に影響する。ゆえに嫦娥3号の着陸から約1日間は、すべての砂塵が落ちるのを待ち、極紫外線カメラのカバーと望遠鏡のハッチボードを開くことになる。ランダーと月面ローバーにとって、砂塵防止は設計・開発段階で直面した最大の課題の一つだ。例えば極紫外線カメラはランダーの上部に設置されているため、カバーを取り付ける必要がある。これは砂塵防止のためであるが、カバーは熱源を持ち、夜になると閉じられ、内部の適度な気温を維持する。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年12月2日
【特集】月探査機「嫦娥3号」