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方向性を失った中国の建築物 目立つ過度な西洋化や奇抜化

小判のようなビル

 南京でこのほど開催された「中国現代建築設計発展戦略ハイレベルフォーラム」で、中国工程院院士の程泰寧氏や崔カイ(=りっしんべんに豈)氏などが現在の建築界の現状を痛烈に批判した。北京晨報が報じた。

4カ月で世界一の高層ビルを完成させる計画

 昨年、中国の建設会社「遠大可建科技」が湖南省長沙市で、世界一の高さのビル「天空の城(Sky City)」の建設を計画。202階建て、高さ838メートルの同ビルを、 わずか4カ月で完成させるとした。

 建設の時間がこれほど速いとなると、プランデザインに充てる時間はさらに短くなる。同計画は結局実現しなかったが、どうして、これほどまでに工程を焦った計画が出たのだろう?単なる売名行為だろうか。同院の何鏡堂院士は、「1つは模倣の氾濫。国外の美しい建築物や独創的な建築物を見ると、それを模倣したくなる。次に、シンボル化がある。現在、建築物には民族の特色が求められ、それを機械的に伝統文化のシンボルとしようとする」と指摘している。

小都市も海外の建築士を招聘

 ここ20年、中国のランドマークのほとんどは外国人が設計したものだ。

 南京市の東南大学などの機構が2013年に実施したある調査では、上海の建築物26棟のうち、香港の設計師が設計したものが3棟で、それ以外は全て西洋の建築士の設計だったことが分かった。

 筆者の取材によると、西洋の建築士を招聘する波は現在、大都市から小都市にまで波及している。そして、中国国外の建築士の招聘により、西洋建築の価値観や文化理念が街のあらゆるところで見られるようになっている。

 中国建設部の元副部長である、中国建築学会の宋春華・理事長は、「『ホワイトハウス』や、『エトワール凱旋門』、『古代ローマ建築』、『イタリアンガーデン』などの影響を受けた建築物が各都市で見られる。これは理解できない情景」と非難している。

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