三中全会控え調査 所得格差が一番の関心事
中国共産党の第18期第3回全体会議(三中全会)の開催を目前に控え、人民網はこのほど「大きな変革と小さな日々」と題するインターネット調査を行い、ネットユーザーに大きな反響を呼んだ。6日の朝までにネットユーザー約2万5千人から回答が寄せられ、話題のキーワード10個の中では「所得格差」が7千票を獲得して最も注目を集めた。人民網が伝えた。
▽3割が所得分配改革に最も注目
改革は絵空事ではなく、国のマクロ政策はどれも人々の生活に影響を与える。今回の調査で改革をめぐるキーワード10個を挙げてどれに興味を感じるかをたずねたところ、上から順に、「所得格差」、「物価上昇」、「食品の安全性」、「不動産税」、「大気汚染」、「医療環境の未整備と医療費の高騰」、「戸籍制度改革」、「就職難」、「営業税の増値税への切り替え」、「退職年齢の引き上げ」が並んだ。所得格差に興味を感じるとした人は7千票に上り、全体の約3分の1を占め、所得分配の改革が改革の内容の中で最も関心を集めていることがわかった。
所得格差の拡大は中国の経済発展を大いに制約するボトルネックとなっている。普通の人々の所得水準が引き上げられ、所得格差が縮小されることが、人々の切なる願いだ。
国務院発展研究センター発展戦略・地域経済研究部の侯永志部長は、「内需不足、社会における緊張関係といった問題は、実際のところ国の所得分配構造の不合理さに端を発している。所得分配の問題が解決されなければ、内需を拡大しようとしても物質的な土台がなくなる可能性がある。所得分配構造のアンバランスは、社会の関係に影響するだけでなく、経済成長にも影響する」と話す。
北京師範大学政府管理学院の唐任伍院長によると、所得格差問題の解決では、「低所得の引き上げ、高所得の制限、セーフティネットの構築」の3方面の措置が必要になる。低所得層の所得水準を引き上げ、高所得層の所得を制限し、特に一連の独占産業の所得を制限する。政府によるセーフティネット構築では、社会保障を通じて、国民の基本的な生活を保障する、といった措置だ。
党の第18回全国代表大会(十八大)の報告書では、国民の所得分配構造を調整し、再分配をめぐる調整を強化し、所得分配における格差の大きさという問題の解決に努力して、発展の成果をより多くより公平に国民全体に還元し、みんなが豊かになる道を緩やかに前進することが必要との見方がうち出された。今回の調査では、三中全会の後で格差問題を解決する具体的な政策がうち出されると考える回答者が多数を占めた。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年11月6日