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中国人の所得倍増でアフリカに黄金時代

 世界銀行の元チーフエコノミスト兼副総裁の林毅夫氏は先月29日、北京で行われた中国国際経済交流センター主催の第3回グローバルシンクタンクサミットに参加した際、2020年には中国人の一人あたり平均所得が1万2千ドルに達し、高所得国の仲間入りをする可能性があり、そうなればアフリカ諸国をはじめとする世界中の発展途上国に工業化が進む「黄金のチャンス」をもたらすことになると述べた。中国新聞社が伝えた。

 中国政府がさきにうち出した個人所得倍増の目標では、20年の都市部・農村部の一人あたり平均所得が10年の2倍と設定された。林氏の予測によると、20年には平均所得は8800ドルに達する。さらに、1万2千ドルに到達し、高所得国の仲間入りを果たす可能性もあるという。

 林氏は具体的に製造業に言及した。林氏によると、2020年には中国の労働集約型産業の非熟練工の平均月収は1千ドルに達するとみられ、これは中国の労働集約型工業が高付加価値工業に成長することを意味すると同時に、他の発展途上国に労働集約型産業の「黄金のチャンス」をもたらすことも意味するという。

 林氏は例証としてアジア経済の発展の歴史を挙げた。1960年代に日本の一人あたり平均所得の増加が「アジア四小竜」といわれたシンガポール、韓国、香港、台湾の工業化にチャンスをもたらした。80年代に、四小竜の経済発展と所得増加が、中国大陸部における労働集約型製造業の時代に入ることを後押しした。

 林氏の説明によると、今度は中国の番だ。中国の製造業には現在、8500万人の従業員がおり、これほどの規模の雇用機会が他国に移転すれば、多くの発展途上国が工業化の黄金時代を迎えるようになるという。

 林氏は「これは単なる理想ではなく、確実に起こりうることだ」という。林氏はエチオピアを例に取って次のように説明した。エチオピアは11年8月に中国の靴メーカーを招いて自国への産業移転を進めると同時に、中国に労働者を派遣して研修を受けた。12年1月には靴製造ラインが完成し、従業員600人を雇い入れた。生産ラインが運転してから12カ月が経過すると、同国の輸出量は2倍に増加し、靴産業の従業員数は2300人に到達。今年はさらに増加してすでに4千人を超えている。

 林氏は次のように話す。多くの人が、アフリカ諸国が世界の製造業の中心になって国際市場に輸出するようになるのは無理だと考えているが、アフリカ諸国も他の発展途上国も中国がもたらすチャンスをつかまえて工業化を実現することが可能だ。中国も他の発展途上国が工業化をスタートするよう支援こともできる。(編集KS)

 「人民網日本語版」2013年7月1日

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