米盗聴問題、中国5都市に拠点 日本は外れる
米国が欧州連合(EU)加盟国で数千万件の通話を傍受したとされる疑惑について、米国家安全保障局のキース・アレクサンダー行政官は29日、「全くの誤解」と反論した。一方、ドイツ誌「デア・シュピーゲル」の公式サイトは28日、米当局の盗聴活動拠点「特別収集部局(SCS)」(2010年時点)の分布図を伝えた。同分布図には、世界90カ国の盗聴活動拠点が列挙されている。うち、東アジアでは中国が主な盗聴の対象になっており、香港や北京、上海、成都市(四川省)、台北(台湾)などの都市に活動拠点がある。北京晨報が報じた。
中国も盗聴の対象に 日本は外れる
同サイトによると、SCSに関する情報は、CIA(中央情報局)の元職員で、現在ロシアに亡命中のエドワード・スノーデン氏がドイツの記者に提供したものとされている。SCS90カ所のうち、74カ所は現地に拠点があり、14カ所は遠隔監視している。さらに、技術サポートセンターも2カ所ある。SCSは東アジアに8カ所、中東や北アフリカに24カ所、サブサハラアフリカに9カ所ある。
米国は、東アジア、東南アジアで大使館や領事館を盗聴の拠点にし、アジア太平洋地区の重要な都市の電話の盗聴をしたり、インターネットの追跡をしたりしていた。アジアの都市には北京や上海、ジャカルタ(インドネシア)、クアラルンプール(マレーシア)、プノンペン(カンボジア)、バンコク(タイ)、マニラ(フィリピン)、ヤンゴン(ミャンマー)などが含まれている。
東アジアでは中国も主な盗聴の対象になっており、香港や北京、上海、成都市、台北などの都市に活動拠点がある。
一方、オーストラリアやニュージーランド、英国、日本、シンガポールなど、米国と親しい同盟国の名前はなかった。
米国のテレビの民間放送ネットワーク「ABC」のサイトは、オーストラリアのベテラン情報専門家の話として、「アジア太平洋地区の監視は、オーストラリアの通信電波情報理事会が長期にわたってサポートし完成させ、現地のSCSと協力し、米国国家安全保障局と盗聴した情報を共有していた」と伝えた。「デア・シュピーゲル」の報道によると、SCSは現地政府の通信も傍受していた。