明治が中国撤退 中国産粉ミルクの逆襲なるか?
外国産粉ミルクは、武漢市場で依然として「主役」を演じている。明治が間もなく中国市場から撤退するが、中国産粉ミルクがこの機に乗じ「逆襲」することはあるだろうか。乳製品の専門家は、短期間内には難しいと分析した。武漢晩報が伝えた。
武漢市の大型スーパーで、明治の粉ミルクを見かけることは稀だ。調達業者の話によると、現在販売されている外国産粉ミルクは欧米および豪州のブランド(ミード・ジョンソン、Dumex、ワイス、アボットなど)が中心で、日本メーカーの粉ミルクは少ない。東日本大震災後、一部の保護者は放射能汚染を懸念し、日本の粉ミルクを敬遠した。明治はその後、ミルクの供給先を豪州に切り替えたが、消費者は依然として明治を日本ブランドと見なし、購入意欲をそそられなかった。
明治がB2Bの天猫(Tmall)に開設している旗艦店では、900グラムの粉ミルクの販売価格は、第1段階が235元、第2段階が228元と設定されているが、第2段階はすでに販売が制限されている。明治のサービス担当者は、「現在は在庫を消化しており、完売後は販売を続けない」と語った。
明治は中国大陸部からの撤退を発表した初の海外有名粉ミルクメーカーとなったが、これは中国産粉ミルクの「春の到来」を意味するものだろうか。
今年以来、外国産粉ミルクの経営環境に、負の変化が生じている。Dumex、ミード・ジョンソン、ワイスなどのブランドは中国国家発展改革委員会の独占禁止調査を受け、一部製品の値下げを宣言した。NZ乳業最大手・フォンテラのボツリヌス菌汚染問題により、外国ブランドが影響を受け、販売量が軒並みダウンした。
武漢現地スーパーの調達業者によると、フォンテラの事件発生後、貝因美(Beingmate)や伊利などの国産粉ミルクが販促を拡大し、販売量が一時期約15%増となった。しかし現在は販売が落ち着いており、依然として外国ブランドの「覇者」としての地位を揺るがしていない。武漢市の大型スーパーにおいて、外国産粉ミルクは65%のシェアを占めているという。
その他の調達業者も、Dumexなどの販売量は一時的に減少したが、失った市場シェアの多くは外国ブランドに占められたと指摘した。ワイスなどの販売量は、8月と9月に20−30%増となった。Dumexの販売はすでに底を打って回復に向かっており、中国産粉ミルクが短期間内にシェアを大幅拡大することは難しいだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月30日