10月の北京、「煙霧日」が半数
北京市大気重大汚染応急指揮部は10月31日午後6時ごろ、大気重度汚染警報(青色)を発令した。大気汚染青色警報が発令されたのは、「北京市大気重度汚染緊急マニュアル(試行)」が発表されて以来2回目。1回目は10月28日に発令された。北京は、1週間の間に2度も「煙霧」被害に見舞われたことになる。新京報が伝えた。
北京市環境保護モニタリングセンターが10月31日午後8時に発表したリアルタイムモニタリング結果によると、南部のモニタリングポイント9カ所では、大気の質のレベルは5級(重度汚染)に達し、市内にあるその他のモニタリングポイントのほとんどでも、4級(中程度の汚染)を観測した。
11月1日も、全市規模で重度の汚染に見舞われた。予報によると、今週末は北京に弱い寒気団が入り込むため、雲が拡散し、青空が戻る見込み。
■10月の概要:月の半分が「煙霧日」
10月の北京大気汚染状況概要によると、北風が吹かない日は、汚染物質が累積し続ける傾向にあった。大気汚染レベルが「軽度汚染」以上だった日は15日に達した。、このうち、汚染日が最も長く続いたのは、国慶節連休中(10月3日から6日)だった。10月、北京の晴天はそう長く続かず、最も長く続いたのは23日から26日で、この期間、空気の質は全体的に良好だった。
北京が「煙霧日」から抜け出すためには、「北風」という助っ人が必要で、風が強ければ強いほど煙霧は徹底的に拡散する。「北京の天気は今のところ、強風と煙霧の2種類しかない」と嘆く人もいた。
中国気象局北京・天津・河北環境気象センターのシニアエンジニアを務める廖暁農氏は、「大気汚染物質が一掃される気象条件は2つある。一つは風が吹くことで、もう一つは雨または雪が降ることだ。もし、これらの条件が長期間発生しなければ、つまり風も吹かず雨・雪も降らない場合、汚染物資はどんどん蓄積される。寒気団が来るとようやく、煙霧天気は終わりを告げる」と説明した。
北京は、昔から煙霧天気がこれほど多かっただろうか?廖氏はこれについて、「昔は、大気中の汚染物質濃度が今ほど高くなかった。しかし、この10年で自動車が増え、排気ガスが多くなり、大気汚染物質の濃度が高くなり始めた。さらには、汚染物質が拡散しづらくなったことから、煙霧の日数が増えた」と指摘した。
中国科学院大気物理研究所の王庚辰・研究員は、「気象条件が煙霧の生成に及ぼす影響は極めて大きい。煙霧の拡散のための条件は、第一に天気次第、その次が人間による措置だ。煙霧天気が発生するかどうかの真の決め手となるのは、大気汚染物質の放出量であることから、根本的に解決するためには、汚染物質の放出量を減らす以外に手はない」との見方を示した。
【特集】北京、大気汚染に「宣戦」