製薬大手グラクソ・スミスクラインを賄賂罪で立件
公安部(公安省)は11日、湖南省長沙市、上海市、河南省鄭州市などの公安機関を統一的に組織して、英国の製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の中国法人・葛蘭素史克(中国)投資有限公司の上級管理職の一部が重大な経済犯罪を犯した疑いがあるとして、法律に基づき立件に向けた調査を行ったことを明らかにした。「新京報」が伝えた。
同部によると、同公司は大手の多国籍製薬企業であり、ここ数年間の中国での経営期間中、製品の販売ルートを開拓し、販売価格を引き上げることを目的として、旅行会社などのルートを通じ、直接的な賄賂やプロジェクト協賛などのさまざまな形式で、政府関連部門の担当者、一部の医薬品の業界団体や基金会、病院、医師などに大規模な贈賄を行ったという。また同公司には増値税(付加価値税)専用の虚偽の伝票を使用した、旅行会社を通じて偽の伝票を発行した、虚偽の普通伝票を発行して現金を詐取したといった犯罪行為があったという。
容疑者の人数は多く、犯罪行為の行われていた時間は長く、犯罪の情況は低劣だ。すでに押収された証拠から、同公司の上級管理職の一部と関連の旅行会社のトップの一部が、重大な商業賄賂および脱税を行っていたことが十分に証明される。
また警察の調査により、同公司の上級管理職の一部が職務上の便宜を利用し、旅行会社を通じて会議業務でのリベート受け取りや、プロジェクト処理費などの形式での大規模な収賄を行っていたことが明らかになったという。
現在、警察は同公司と関連の旅行会社の容疑者に対し、法律に基づき刑事的な強制措置を取っている。第1回目の取り調べで、容疑者は犯罪の事実を認めており、現在は取り調べがさらに進行中という。
▽グラクソ・スミスクラインの概況
本社:英国。世界に約70カ所の生産拠点をもつ。
創業:グラクソ社が1935年に創業し、2000年にグラクソ・ウェルカムとスミスクライン・ビーチャム社が合併してグラクソ・スミスクラインが誕生した。
中国での情況:対中投資は総額5億ドルを超え、現地の従業員は5千人を超える。