米中国語紙:中米には共通の「敵」が3つある
米国で発行されている中国語紙「僑報」は13日付で「米国と中国の敵は誰か?」との見出しで、以下の記事を掲載した。
第5回中米戦略経済対話は11日に閉幕したが、その成果や価値に対する外部の研究、議論熱は依然冷めていない。現代世界最大の先進国と最大の発展途上国である米中が対話を通じて、経済貿易および国家戦略分野の摩擦や溝の解消および協力について協議することの意義は言うまでもない。また、利益を得るのは両国だけに止まらず、それ以上に世界全体である。
米国の政府と民間シンクタンクは「中国が経済規模で米国を追い抜いた場合、世界はどうなるか」「世界首位を保てなくなった場合、米国はどうなるか」といったテーマを長年研究し続けてきた。その結論は多種多様、奇々怪々で、中でも人々を脅かし、かつ影響力が大変強いのが「強大な中国は世界にとって百害あって一利なし」というものだ。そこで「中国封じ込め」の声が四方から上がり、政府の戦略の本流ともなったうえ、「中国を仮想敵」とする行動を次から次へと引き起こし、アジア太平洋と中国周辺の情勢をにわかに緊張させている。
票を集め、地位を保つために、各国の為政者はいずれも国民に素晴らしいビジョンを示す一方で、いくつかの外的要素を誇張して国民と国家を発展さらには拡張へと促す「圧力」にもする。「仮想敵」が生まれる背景には、これがあるかもしれない。近年来、ソ連崩壊や改革開放30数年来の飛躍的発展などの要因から、中国は米国を含む一部の国々の「仮想敵」として真っ先に攻撃を受けている。
実は最も懸念されるのは「中国が米国の仮想敵」となることではなく、米国が1つの「仮想敵」を得たために真の敵を見過ごし、かつ気づかぬ間に増長させ、最終的に世界にトラブルをもたらす結果になることだ。では米国、中国、さらには全世界の敵は誰なのか?グローバル化、情報化、工業化の進行した今日、地球はすでに1つの「村」になっているとわれわれは考える。核拡散と安全保障の問題、テロの拡大、軍国主義の復活こそが米国、中国、および全人類の直面する最大の試練だ。