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金には長期的価値 投資行為は慎重に

 今年4月中旬、国際市場における金価格が暴落し、2日連続で下落幅が15%に達した。中国国内の金価格も暴落し、結婚を間近に控えた恋人たちを大いに喜ばせた。5月1日のメーデー連休には、未来の花嫁とその母親が人であふれかえった北京の貴金属ショップ・北京市菜百新世紀商場を訪れ、嫁入り支度の品定めをし、同店で金価格が1グラムあたり378元になると商品を買い求める光景がみられた。この価格は暴落前より20数元も安い。婚礼祝いの金製品9点セットの金含有量は200グラムほどで、価格暴落で4千元から5千元安くなったという。だが5月の金価格は初めは落ち着きをみせたが、中旬になると再び暴落し、母子が買い物した時よりさらに10元近く値下がりして1グラム369元となった。母子はわずか2週間で、底値で買い物をした賢い消費者から損をした愚かな消費者に変わってしまった。「人民日報」が伝えた。

 だが母親は、「嫁入り支度はどうしたって必要なもの。前より大分価格が下がったとしても、手元に金をもっていれば確実だ。価格がさらに下がっても、将来的にはきっとまた上がる。私たちは短期的な投資をしているわけではない」と淡々と話す。結婚間近の娘を抱えた母親で、このように考えて金を求める人は少なくない。

 中国の市井の人々が大挙して金を買い求めたことを称して、「中国のおばさん」が米金融センターのウォール街に挑戦していると冗談交じりに言う人がいるが、双方の投資スタイルは全く異なる。

 中国のおばさんたちが争って購入するのは金のアクセサリーが中心で、工芸品としての価値とコレクションとしての価値をもち、普通に金に投資するよりも高くつき、買い戻しは難しく、手数料もかかる。おばさんたちは長期的な投資のつもりで金を買い、自分の買った時より価格が高くなればもうかったと思い、今日買って明日すぐに売るようなことはしない。おばさんたちは投機的行為は知らないし、米連邦準備制度理事会(FRB)やウォール街には関心がなく、手元の金の価値が維持・上昇することだけを願っている。言ってみれば、真の「バリュー型投資家」だということだ。

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