「中国製」はもう安物の代名詞でない 米メディア
米国紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の28日付報道によると、長年にわたり「中国製」(メードインチャイナ)は「安い製品」と同義語だった。これまで西側のぜいたく品ブランドで自社の製品の一部を中国で生産していると認めたがるところはほとんどなかった。だが中国現地ブランドの多くが質の高い製造に力を注ぎ、伝統的な要素と精緻なデザインとの一体化を恒常的にうち出すようになるのにともない、人々の受け止め方は徐々に変わってきた。環球網が伝えた。
ハイエンドの婦人服ブランド「王汁」、婦人靴ブランド「貞」、紳士服ブランド「九匹狼」などはいずれも中国独自ブランドに属している。これらのブランドは、徐々に中国の膨大なぜいたく品消費層の中の最も前衛的なファッショニスタたちの心をとらえ始めている。あるカメラマンはブログの中で、中国の若い女性は非常に目が高く、人と違うものをほしがる、と書いている。
同紙の指摘によると、こうした傾向が出てきた背景には中国ぜいたく品産業の急速な成長がある。中国の一部の人々が世界の富豪の仲間入りを果たしたこともある。米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーが昨年12月にまとめた報告によると、中国はすでに日本を抜き、世界最大のぜいたく品消費国になったという。
エルメスの中国市場向けブランド「上下」の店舗を例に取って考えてみる。上下の店舗がエルメスの通常の店舗と違うのは、置いている商品のほとんどすべてが中国で生産されたものだということだ。上下の美術総監の蒋瓊耳氏の説明によると、中国人はすでに自分たちの文化の根源に回帰し始めている。過去5年の間に、人々は中国の創造性と品質の重要性を認識するようになった、という。
同紙によると、西側の協力パートナーを擁するブランドは成功しやすいという。たとえば上下やジュエリーブランドの「麒麟珠宝」などだ。また創業から38年の歴史をもつ紳士服ブランドの「波司登」も西側の顧客を受け入れ始めている。国内に1万1千店以上の店舗を構える波司登は、最近では英国・ロンドンのサウスモルトンに5千万ドルを投じて旗艦店を設立した。これなどは「東洋が西洋に出会い、また東洋に回帰する」ことの希有な例証だといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月30日