社会科学院青書 13年の日本経済は一時的に回復
中華日本学会、中国社会科学院(社会科学アカデミー)日本研究所、社会科学文献出版社が共同主催する日本情勢シンポジウムと「日本青書(2013年版)」についての記者会見が、このほど北京で行われた。同青書では、世界経済の復興に伴い、日本の国内消費は14年の消費税率の引き上げ前に駆け込み需要が生まれると予測する。また13年度の日本経済は一時的な回復傾向をみせると予測する。
同青書の指摘によると、12年の日本経済は先高後低の様相を呈した。地震からの復興再建を通じて経済復興を達成するという夢は泡と消え、対外貿易赤字は第二次世界大戦後で最高となり、デフレ脱却政策やエネルギー調整政策など多くの難題が未解決のまま残った。また少子化や人口高齢化がさらに進んだ。12年に可決された子ども、雇用、医療・介護、年金などに関する法案をみると、日本の社会保障と税の一体化改革が進展したことがわかるが、日本の経済・社会発展の低迷を根本的に転換させることはできなかった。
同青書は次のように強調する。12年は中日国交正常化40周年だったが、石原慎太郎前東京都知事による釣魚島(日本名・尖閣諸島)の「購入」発言、および当時の野田内閣による「国有化」が引き起こした領土問題が、中日間の政治的な相互信頼関係はもとより現実的な協力にも深刻なダメージを与え、両国関係は急速に悪化し、「国交正常化からの40年間で最悪の局面」となった。二国間貿易額は09年以降で初めて減少し、日本の政治や経済に直接的なダメージを与えた。