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ウォール街をうち負かした「中国のおばさんパワー」

 今年の流行語大賞は「中国のおばさんパワー」になるという予測が広がっている。米国ウォール街の金融界のボスはこのほど、米連邦準備制度理事会(FRB)の意を受けて金を空売りするという大なたを振るい、暗黒の月曜日とされた先月15日には金価格が20%暴落し、世界が騒然となった。だが「中国のおばさんパワー」に対抗することはできなかった。10日間に1千億元の中国マネーが金市場に流れ込み、300トンの金がすべて買われたのだ。ウォール街が金を売り出せば、多少に関わらず中国人ががすべて買い上げた。度重なる空売り競争の果てに、世界企業上位500社に入る米金融グループのゴールドマンサックスは真っ先に白旗を上げた。そうして金融界のボスと中国のおばさんパワーとの金をめぐる攻防戦は、中国側の完全な勝利に終わった。「広州日報」が伝えた。

 先月15日に金価格が一日で20%低下すると、非常に多くの中国人が近所の店で争うように金製品を買い求めた。1件当たりの購入量は数グラムだが、このような人たちは金融市場の底支えをする「中国のおばさんパワー」と呼ばれるようになった。

  ▽五大銀行、「金は値下がりする」と予測

 ゴールドマンサックスはかつて金価格は1オンス1100ドルに値下がりすると予測した。この価格はこれまで12年連続で強気相場が続いていた金市場を考えると、かなり「お値打ち価格」であることは間違いない。金融ルポ「貨幣戦争」の作者・宋鴻兵は、誰よりも速く中国人が金を大量に購入するという見方をうち出し、また他国でも同じような状況が起こると述べた。

 今年3月以来、英国のバークレイズ銀行、カナダのノバスコシア銀行、フランスのソシエテ・ジェネラル、ドイツのドイツ銀行、米国のゴールドマンサックスが、金価格が低下するとの予測を相次いでうち出した。ゴールドマンサックスと米政府との密接な関係はいうまでもないし、残り4行はロンドン金市場の値付け業者であり、ロンドン市場の金取引開始価格はこれらの銀行が相談して決めている。これら五大銀行が相次いで値下がりを予測したことに加え、FRBが量的緩和政策(QE)の報告の金利について曖昧な態度を取ったことから、このたびの「金空売り戦」はそれほど単純なものではないことがうかがえる。

 この単純でない空売り戦は通貨が株式市場に流れるようにし、経済復興を目指すことが狙いであるようにみえ、また米ドルの支配的な地位を顕示することが狙いであるようにもみえる。だがアジアに市井の買い手が大勢いて十分な購買力があり、その勢いは弱まることがなく、空売りを進める国際金融界の大ワニと対峙し、金価格の低下をくい止めるという事態が起こるとは、まったく予想されていなかった。

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