<企画>苦境脱出を求めるシャープ これからの行く末は?
【赤字の泥沼に陥るシャープ】
シャープは、資金難に陥っている。液晶テレビと液晶パネルの販売量が激減したことを受け、2012年3月までの2011年度の赤字額が3760億円に達した。また、2012年11月1日、2013年3月期の純損益見通しを4500億円前後と発表した。これは過去最大を更新する見通しだ。[もっと見る]
これをうけ、2012年11月2日、世界大手格付け会社のフィッチ・レーティングスはシャープの長期格付けを一気に6段階引き下げ、BBB(トリプルB)マイナスから、B(シングルB)マイナスとした。同格付けは、投資不適格級とされる。[もっと見る]
【直面している問題】
シャープ商貿(中国)有限公司の酒井功董事副総裁は経営難のシャープが直面している三つの問題をまとめた。
(1)日本市場の低迷。日本政府は数年前にデジタルテレビ買い換え政策を実施し、一時的に市場の需要を急増させたため、今年の日本テレビ市場の規模は前年比70%減となった。
(2)中国家電市場の低迷。
(3)中日関係の悪化。シャープの中国における販売に一定の影響が生じた。[もっと見る]
【苦境脱出にあちらこちらで資金繰り】
経営を再建するために、シャープは様々な手を打っている。
■資産売却
去年8月に、シャープが首都圏の営業拠点を売却する方針を固めた。売却により手元資金を厚めに確保し、財務改善を急いだ。
また、去年12月、シャープは東京のビルを担保としており、メキシコなどのテレビ組立工場の売却を検討…[もっと見る]
■人件費削減
・給与削減:般社員で2012年5月から5%で実施していたカット幅を7%に拡大するほか、賞与も半減させた。
・希望退職:40歳-59歳が対象で、2012年11月に募集を始めた。[もっと見る]
・リストラ:シャープの携帯部門が中国で、販売員を対象とする人員削減を開始した。関係者によると、2013年1月18日、人員削減対象者と武漢、南京、成都、瀋陽の4都市で協議し、最終的に労働契約を解除した。[もっと見る]
■資本提携と事業提携
・鴻海:シャープは2012年3月に日本で、鴻海に10%の株式を売却することにより、670億円の出資を受け入れることを発表した。[もっと見る]
・富士通:2012年9月の情報によると、シャープがスマートフォン「AQUOS PHONE」を含む携帯電話事業を富士通(本社・東京)と統合する案を検討した。早ければ2013年3月末にも富士通に統合交渉を持ち掛ける可能性があるという。[もっと見る]
・クアルコム:2012年12月、シャープが米半導体大手のクアルコムから最大100億円の出資を受け入れることで合意した。また、27日にシャープは「クアルコムからの1回目の払い込み手続きが完了した」と発表した。[もっと見る]
・レノボ:2013年1月17日の情報によると、とレノボのテレビ事業提携関係の構築に関する協議が、最終段階に入った。[もっと見る]
【最新動向】
去年いろいろ努力をしたシャープは、最近また新しい動向があった。
■サムスンとの資本提携が報道された
3月6日、「韓国のサムスン電子とシャープは資本提携で合意に達し、サムスンはシャープに約104億円(約1億1千万ドル)を出資して、シャープの株式の3%を取得することになった。」という情報が各メディアにより報道された。[もっと見る]
■すぐに否定 本当かデマか
しかし、サムスンから出資を受け入れる情報が発表されたまもなく、シャープはこの件に関して、「3月5日夜以降、当社に対する海外メーカーの出資(資本提携)に関する報道がありましたが、当社が発表したものではありません」と報道を否定している。
■鴻海との提携に影響か
シャープと鴻海の資本・業務提携協議は3月26日に交渉期限が迫っている。
市場では、シャープとサムスンとの提携はもし本当であれば、おそらく鴻海との提携協議に影響を及ぼし、最悪の場合は提携が白紙に戻ることも懸念されている。
社内で調整しようが、外部から出資を受け入れようが、百年を越える歴史を持つシャープは、深刻な経営難を乗り越えるには必死に努力している姿を見せている。
(編集JZ)
「人民網日本語版」2013年3月12日