ニュージーランド産乳製品からボツリヌス菌検出
中国当局が即時回収を指示 ニュージーランドのフォンテラは2日、同社の工場で2012年5月に生産されたホエイプロテインコンセントレートからボツリヌス菌が検出されたと発表した。国家品質監督検査検疫総局は事態を重く見て、北京のニュージーランド大使館と直ちに連絡を取り、中国の消費者の健康に影響が出ないよう直ちに措置を講じるよう求めた。新京報が伝えた。
国家品質監督検査検疫総局は汚染された可能性のある製品を直ちに回収するよう輸入業者に指示。各地の検査検疫機関にもニュージーランド産乳製品に対する検査、検疫、監督を一段と強化するよう指示した。国家品質監督検査検疫総局は事態を引き続き注視する。
フォンテラはこれらの製品はボツリヌス菌の菌株を含んでいる恐れがあり、中毒を起こす恐れがあると発表した。ホエイプロテインコンセントレートは粉ミルクやスポーツ飲料に広く使用される。だが牛乳、チーズ、ヨーグルトといった一般の乳製品に影響はない。現在のところ当該製品による健康被害は報告されていない。汚染されている恐れのあるホエイプロテインコンセントレートはメーカー8社に納入され、粉ミルクやスポーツ飲料の原料として使用されており、関係製品は900トンに達すると見られる。
フォンテラは2日、8社に状況を報告。現在8社は緊急調査を行ない、製品への影響を調べている。必要があれば回収する方針だ。フォンテラのスポークスマンは「現段階では8社と関係製品の名前を明かすことも、関係製品がどの国で売られているかも明かすことはできない」とした。だがニュージーランド当局は影響のある国としてオーストラリア、中国、マレーシア、タイ、ベトナム、サウジアラビアを挙げた。
フォンテラのスピアリングスCEOは3日に欧州から中国へ向かい、関係機関と取引先に最新の状況を報告する予定だ。スピアリングス氏は取引先8社の検査に全力で協力し、汚染された製品の回収を確保すると表明した。
■用語解説「ボツリヌス菌」
ボツリヌス菌は常温で繁殖するグラム陽性の偏性嫌気性菌。加工、包装、保存に問題のあった食品や真空包装の食品内でも繁殖できる。中毒を起こすと臨床上、悪心、嘔吐、および眼筋、咽頭筋の麻痺といった中枢神経系症状を主に示し、速やかに治療を受けないと致死率が比較的高い。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月4日