再編・整理統合は中国乳製品業界のあがないの道か?
工業・情報化部(工業・情報化省)は18日に食品安全会議を招集し、100社近くの粉ミルク会社の責任者に対してその場で交渉をし、整理統合を最短で完了するよう促した。政府のこの呼びかけに応じて、蒙牛と雅士利の合併・再編劇が演じられた。中国粉ミルク業界において近年最も大規模なM&A劇でもある。新京報が伝えた。
蒙牛の昨年の総売上高は360億元に達したが、その9割は液体ミルクによるものだ。液体ミルクは利益率が低いうえ、管理が容易でなく、市場はすでにほぼ飽和状態にある。蒙牛も粉ミルク業界に足を踏み入れてはいるが、シェアは低い。国が国内粉ミルク会社の整理・統合を後押しする政策を打ち出した際に、粉ミルク生産量5位の雅士利を買収したのはちょうどいいタイミングだったと言える。
「メラミン」事件後、多くの乳製品企業が源乳の生産から消費者のもとに製品が届くまでの全段階にわたって安全性を確保できる「完全産業チェーン」の構築を次々に始めた。蒙牛は2012年からモデル転換に着手。阿拉、現代牧業の買収、ヨーグルト部門の切り離し、達能との提携と、その一歩一歩はいずれも完全産業チェーンへの布石だった。今回の雅士利買収によって蒙牛は粉ミルク部門の欠点を補い、雅士利の販売ルートを通じて自社ブランドの粉ミルクを販売することができる。これによって粉ミルク業界の競争構図は変わる。蒙牛の雅士利買収後、伊利と蒙牛が中国粉ミルク市場で20%以上のシェアを占め、売上高は100億元に達するかもしれないとアナリストは指摘する。
雅士利にとっても蒙牛の傘下に入ることは互恵的といえる。5月1日に国家品質監督検査検疫総局の「輸出入乳製品検査検疫監督管理規則」が正式に施行され、粉ミルクを含む輸入乳製品の検査が一段と厳格化された。これが100%輸入源乳の国内加工という経営モデルの雅士利に与える影響は大きい。国内粉ミルク・源乳の発展を大々的に支援する今回の政府の政策も雅士利に影響を与える。