国境越えた個人向け人民元決済業務 年内にも実施か (3)
招商銀行本店の唐志宏副頭取が今月6日に述べたところによると、企業や人民元の海外進出プロセスが加速的に推進されるのにともない、中国資本の金融機関は今後、企業の海外進出に伴って、または企業の海外進出で発生した国境を越えたサービスのネットワークやルートの建設問題に直面することになる。このような事業のチャンスをつかまえたいと思うなら、中国資本金融機関は国境を越えた多元的なサービスのルートを積極的に開拓することが必要になるという。
また唐副頭取によると、海外の代理行との協力を積極的に模索するほか、中国資本金融機関は自前の海外機関の配置を一層整備する必要がある。特に中国経済とよくかみ合い、人民元の受け入れに積極的な国、国際金融サービスの能力が高い地域では、M&Aや支店機関の設立という方法を通じて、サービスネットワークのカバー範囲を絶えず拡大する必要があるという。
また個人向けの国境を越えた人民元決済業務が、資本収支における両替の可能性の土台固めになることは確実だ。国務院常務会議は今月6日、今年は財税、金融、投融資などの重点分野で改革の取り組みを強化するとの方針を確定した。中でも、金利・レートの市場化に向けた改革措置を緩やかにうち出すとし、人民元の資本収支における両替を可能とする操作プランを提起したことが、市場の注目を集めている。
業界では、このたびの国務院による人民元の資本収支における両替を可能とする操作プランや個人などを対象にした対外投資の制度建設のスタートという提案は、為替レート改革に向けた大きな一歩であり、これによって為替レート改革における市場化の方向性が市場の期待に添うものになるとの見方が一般的だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月10日