米報告「中国の釣魚島領海基線発表は不適切」に専門家が反論
米国防総省は現地時間6日、中国の軍事力に関する年次報告書を公表した。報告は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題をめぐる中日間の動向に初めて多くの紙幅を割いたうえ、中国が昨年直線基線方法を採用して釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表したことについて国際法と合致しないと指摘した。人民網が伝えた。
この問題について中国国際問題研究所の曲星所長は「国際法には領海基線に関して複数の設定法がある。国連海洋法条約によると、沿岸国の領海基線確定には通常3つの方法がある。通常の基線、直線基線、混合基線だ。通常の基線では、沿岸国が公認する大縮尺海図に記載されている海岸の低潮線とする。直線基線では、海岸線が著しく曲折しているかまたは海岸に沿って至近距離に一連の島がある場所において、海岸または至近距離の島の上の適当な点を結んで直線基線を設定することができる。混合基線は通常の基線と直線基線を適時用いて領海基線を設定する方法だ」と説明。中国の釣魚島及びその付属島嶼での領海基線設定方法は直線基線法の状況と一致しており、国際法に合致したものだ」と指摘した。
外交部(外務省)の華春瑩報道官は7日の定例記者会見で、この件に関する質問に「釣魚島及びその付属島嶼は古来中国固有の領土であり、中国が争う余地のない主権を有する。中国政府が国連海洋法条約の規定に基づき釣魚島及びその付属島嶼の領海基点・基線を設定し発表したことは関連する国際法と国際的慣行に完全に一致している。米側は中日間の領土紛争において特定の側につかないと繰り返し表明している。米側が言動を一致させ、中米の相互信頼と協力、地域の平和と安定にプラスのことをするよう希望する。誤ったシグナルを発するべきではない」と表明した。
2012年9月に日本政府が釣魚島及びその付属島嶼に対していわゆる「国有化」を行った後、中国政府は抗議するとともに、公船と航空機を繰り返し釣魚島に派遣して巡航を行った。9月10日、中華人民共和国は釣魚島及びその付属島嶼の領海基線を発表した。