中国ドラマ、文化外交の新しい窓口に
中国テレビドラマ「●婦的美好時代」(嫁の美しき時代)はスワヒリ語に翻訳され、タンザニアなど視聴世帯1億人に上る東アフリカで放送され、大人気を博している。現在、中国国産ドラマの海外輸出が広く注目を浴びている。「人民網」が伝えた。
中国テレビドラマの輸出早期にあたる90年代は輸出される地域がアジアに集中し、ジャンルは主に時代ドラマや武侠アクションドラマ、ホームドラマだった。時代ドラマ「三国演義」や「還珠姫 -プリンセスのつくりかた-」(原題:還珠格格)などは放映された国で非常に高い評価を得た。中国のホームドラマ「渇望」が始めてベトナムで放送された際の現地の反響も非常に大きかった。ベトナム国家テレビ局や中国駐ベトナム大使館には視聴者から計1000通以上のお便りが届き、多くのベトナムの庶民は劉慧芳のような嫁と結婚できたら、それは最高の幸せだと考えたという。
2010年になると、中国ドラマの制作量は約1万4700話となり世界トップに立った。輸出先の地域も広がり、現在は中東、南米、アフリカ、一部欧州の国々で中国ドラマを見ることができるようになった。ジャンルも歴史文化ドラマから家庭倫理(社会道徳などが盛り込まれた)ドラマ、時代ドラマ、現代ドラマにまで急速に多様化している。南アフリカ、カメルーン、モーリシャスなどの国では、「麻辣婆●」、「西遊記」、「李小龍(ブルース・リー)伝記」など、ドイツでは「三国演義」や「紅楼夢」、「天龍八部」などが人気を博した。タイでは、「孝庄秘史」、「倚天屠龍記」、「還珠姫 -プリンセスのつくりかた-」などが人気を得た。家庭倫理ドラマ「我的丑娘」がモンゴルで放映された際には、各テレビ局のドラマの中で視聴率1位を獲得した。
以前は中国文化製品の輸出は限られており、海外の中国への理解は主に西洋諸国のメディアによるものだった。海外テレビ・映画市場では、中国テレビのテーマのキーワードは常に「皇帝」や「後宮」、「辮髪」などだ。おおまかな統計によると、中国皇帝や宮廷を題材にしたストーリーやカンフーの題材は、中国の輸出テレビドラマの8割以上にも上っている。これらのドラマに描かれている内容は現代中国の庶民の生活からは非常にかけ離れている。近年、中国の影響力が高まるに伴い、中国のドラマ制作のレベルも上がり、より多くの現代の題材を取り込んだドラマが世界に向けて輸出されている。現代中国に生きる若者たちの生活を描く「奮闘」やホームドラマ「家有児女」などは海外でも好評を博している。これらのドラマは中国の庶民の生活における悲喜こもごもを描いており、現代中国の一面を世界に示し、現地の視聴者の共感を呼び起こし、文化的な使者としての役割を見事に果たしている。
文化というツールを通して、国家の良いイメージを築き上げることは、国家のソフトパワーを示すことにほかならない。現在、民族の復興を目指す中国にとって、国産ドラマは文化的な名刺のようなもので、中国がより良い国際イメージを築く上できわめて重要な役割を果たす。ドラマの輸出は、大量の外貨をもたらすだけでなく、直感やイメージといった方法を通して、多くの人々の認識や価値観に影響を与え、世界の中国への誤った先入観を取り除く。アフリカ人が中国ドラマ「●婦的美好時代」を好きだという事実は、中国ドラマの輸出はまだ大規模な段階には入っていないが、すでに西洋諸国による文化的独占状態を打ち破り始めており、中国の文化的イメージを構築する上で、全力で推進する価値があることを物語っている。(編集MZ)
●女へんに息
「人民網日本語版」2013年5月7日