メタンハイドレート、商業化までの道程は (2)
■環境・地質面のリスクが開発のボトルネック
メタンハイドレートの多くは海底の岩石中に埋蔵されているため、石油や天然ガスと比べると採掘や輸送が容易でない。このため完璧な開発手法は世界にまだない。
「メタンハイドレートの開発では本来の温度条件、圧力条件を変えて、大量分解を引き起す。このため温度条件、圧力条件を効果的に制御できなければ、温室効果、海洋生態の変化、海底地層の崩壊などの環境問題を引き起す可能性がある」と国務院参事で元国土資源部(国土資源省)チーフエンジニアの張洪濤氏は言う。
技術的関門をクリアしなければ、メタンハイドレートの開発が極めて大きなリスクを伴うことは明らかだ。メタンハイドレート開発の引き起す環境・地質災害を考えて、各国共に慎重な姿勢で賢明なやり方を採用している。つまり、環境への影響を解決する理想的な方法を見出すまでは、通常の鉱物資源のような大量採取は行わないことだ。
地質の専門家は日本が今回採用した「減圧法」について、すでに警告している。
減圧法はメタンハイドレートを埋蔵する海底に深い穴を大量にうがち、二酸化炭素を注入して減圧し、メタンガスを放出させる手法だ。「減圧法は比較的コストが低く、大規模な採取に適している。だが経済的にフィージビリティがあるのは、温度、圧力の相平衡状態に近い時のみだ」と中国地質科学院鉱物資源研究所の祝有海研究員は指摘する。
技術的ボトルネックはメタンハイドレート開発の障害の1つに過ぎない。開発コストの点から見て、メタンハイドレートの経済効益が石油や天然ガスと比肩しうるかにも疑問がある。メタンハイドレートから分離したガスは体積が大きく、輸送は極めて困難だ。海底パイプラインを建設するか液化する必要があり、採取だけでなく貯蔵・輸送コストも相当高い。こうした障害は短期間には解決困難だ。