北京、深刻な大気汚染が3日続く場合車両通行規制へ
北京市共産党委員会常務委員会は16日、「北京市空気重汚染緊急時対応マニュアル」を可決。同市で、向こう3日深刻な大気汚染が続くと予想される「大気汚染赤色警報」が発令された場合、自動車(原動機付き自転車を含む)のナンバープレート末尾の偶数・奇数による通行規制が実施されることになった。また、各級の党政機関の公用車に対しても、同様の通行規制を実施するほか、さらに車両30%の使用を停止し、全体で80%の車両の使用が停止されることになる。このほか、がれきや砂、石などホコリが立ちやすい物を輸送する車両すべての運行が停止になる。市民の足を確保するため、地下鉄・都市鉄道は利用者数に応じて臨時列車を運行させ、終電の時間も30分遅らせる。北京日報が報じた。
環境保護部(環境保護省)は、「空気質指数(AQI)技術規定」に基づいて、AQIが201-300となった場合「重度の汚染」、300以上となった場合を「深刻な汚染」と定めている。今回可決された「マニュアル」では、大気汚染の警報を、弱い方から順に四級(青色)、三級(黄色)、二級(オレンジ色)、一級(赤色)の4段階に分けている。青色警報は翌日「重度の汚染」になることを、黄色警報は翌日「深刻な汚染」、もしくは向こう3日間「重度の汚染」が続くことを、オレンジ色警報は向こう3日間「重度の汚染か深刻な汚染」が続くことを、赤色警報は向こう3日間「深刻な汚染」が続くことを表す。
同「マニュアル」に基づき、オレンジ色警報が発令された場合、同市では、生産や工事、花火・爆竹などの使用、露店での焼肉などが停止される。生産の停止は、一部の工業企業の生産を停止するほか、一部の企業から出る汚染物質の排出を30%減少させることを意味する。工事の停止は、一部の土木工事や解体工事を停止することを意味する。また、赤色警報が発令された場合、上記4項目の「停止」のほか、自動車のナンバープレート末尾の偶数・奇数による通行規制、がれきや砂、石などホコリが立ちやすい物を輸送する車両すべての運行の停止が実施され、さらに、幼稚園や小中高校の授業も停止する。
大気汚染をめぐっては、路上の掃除も重要な対策となる。同市では、青色警報や黄色警報が発令された場合、路面清掃車の作業の回数などを増加させる。また、オレンジ色警報が発令された場合、清掃作業の回数を1回増やす。そして、赤色警報が発令された場合、清掃作業の回数を2回以上増やす。そのほか、天気などの条件を満たしている時、日中に重要な地域や道路で2-3回散水し、可視度の向上を試みる。
発令12時間前に通行規制通知
自動車のナンバープレート末尾の偶数・奇数による通行規制が実施される場合、市民には少なくとも12時間前に北京電視台(テレビ局)や北京人民広播電台(ラジオ局)、北京市政務の「微博(ウェイボー・ミニブログ)」の公式アカウント、ショートメッセージ、電光掲示板などで通知される。奇数の車両は奇数日に、偶数と英数字を自由に組み合わせたナンバーを導入する政策が実施された2002年に取得したナンバーの車両は偶数日にしか通行ができない。
同規制は同市の行政区域内の道路で実施され、規制時間は該当日の0時から24時。同規制が実施されている場合は、平日に実施されている、ナンバープレートの末尾番号による交通規制は一旦解除となる。
また、同規制が実施される場合、同市の公共交通機関の利用者が延べ200万人増加すると試算されている。そのため、市内の路線バスや郊外と結ぶ路線バスを運営する企業は、ラッシュ時の応急対策に基づいて配車する。また、電力やガスなど大気汚染への影響が少ない車両を優先して配車する。延べ2万1千-2万5千便の増便となり、150台以上を臨時運行のために待機させることになる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年10月17日