実験、携帯電話を持っているだけで落雷の危険
北京首都国際空港の航空機が停まるエプロンエリアで11日午前8時40分、作業中だった男性に雷が落ちる事故が発生。空港の救急センターのスタッフがすぐに駆け付け治療に当たったものの、9時50分、死亡が確認された。銭江晩報が報じた。
事故当時、雨は降っておらず、雷が鳴っているだけだったという。落雷の後、同男性はエプロンエリアで倒れこみ、衣服はボロボロになり、そばには携帯電話が落ちていた。
落雷に携帯電話が関係しているかは、今のところ確認できていなが、同事故をきっかけに、携帯電話が落雷の原因になるかどうかについての話題が、再び注目を集めている。
そんな中、中国中央テレビ局(CCTV)は12日、番組の中で携帯と落雷の関係性を示す実験を試みた。安徽省合肥市の企業「航太電物理」で行われた同実験では、高さ50メートルの高電圧発電機を使って、人工的に雷を発生させ、▽携帯電話で通話中のマネキン▽電源の入った携帯電話を持っているマネキン▽電源を切った携帯電話を持っているマネキン---の3体を置き、携帯電話と落雷の関連性を調べた。実験は10回行われた。
雷を発生させるのは、発電機の下にある平板電極上の金属棒で、480万ボルトの雷を発生させることができる。
自然界で発生する中レベルの雷が見える時間は、瞬きの1000分の1の長さに当たる0.6ミリ秒だ。このため、実験では高速カメラをスタンバイした後、発電機のスイッチを押し、雷を発生させた。
10回のうち5回通話中のマネキンに落雷
1回目の実験で雷が落ちたのは、意外にも電源が入った状態の携帯電話を持っていたマネキンだった。実験スタッフは焦げたにおいを察知したものの、マネキンの外部には特に異常は見られなかった。しかし、よく調べてみると、雷が落ちた際に発生した大きなエネルギーで、マネキンの足に穴が開いていた。その足はちょうど携帯電話があった場所だった。
この結果は、通話はしていなくても、携帯電話に電源が入っていれば落雷の原因になる可能性があることを示している。
10回にわたる同実験のうち、5回は通話中のマネキンに、4回は電源が入った携帯を持っていたマネキンに雷が落ち、電源を切った携帯を持っていたマネキンに雷が落ちたのは、わずか1回だった。
実験スタッフは、「携帯の電源が入っていると、通話中かどうかにかかわらず、携帯が落雷の原因になる可能性がある」という結論を下した。