日本の「ソフトな突破」の背後にある「強硬な目的」
日本の軍艦「いずも」が6日、仰々しく進水した。この「準空母」と共に、世界の人々は恐らく日本の野心も目の当たりにした。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究所特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
「出雲」は中国を侵略した当時の日本海軍の旗艦の艦名だ。過去のものを現代に利用するこの命名は入念な選択であり、日本右翼勢力の「帝国海軍の栄光」への夢想を継承してもいる。しかも「いずも」の命名・進水式は広島への原爆投下の日を選んで行なわれた。これが全くの偶然の一致であるわけがない。この軍艦が空母により近いのは明らかなのに、日本は「護衛艦」と称してごまかしている。
日本メディアの先日の報道によると、日本政府は現在自衛隊に継承されている旧日本軍「旭日旗」の問題について、「日章旗」と並び日本の象徴であり、共に日本の国旗であると認定する政府見解を発表する方針だ。だが「旭日旗」は中国侵略戦争を発動した時期と朝鮮半島を占領して植民地支配を行なった時期に旧日本軍が使用していた旗であり、中韓からは「日本軍国主義の象徴」と見なされ続けている。
日本の安倍晋三首相は今年5月、機体に「731」と書かれた自衛隊機に搭乗して写真を撮ったことで、大騒ぎを起こした。第2次大戦中に日本の「731」細菌戦部隊が残虐きわまりない人体実験を行なったためだ。その2カ月後、日本が対中全面侵略戦争を発動した「七七事変(盧溝橋事件)」と同じ日に、安倍氏は日本の対外侵略の歴史や隣国との領土係争の問題について詭弁を弄したうえ、中国を批判した。こうした出来事を人々はまだ覚えている。
こうした全ては「偶然」や「そのような意図はなかった」では全く釈明できない。これらは、日本では軍国主義の亡霊が四方を徘徊し、しかも一部政治勢力の魂に深く入り込んでいること、日本右翼勢力の主張が日本政治の中で次第に流れを形成し、しかも主流思想のように日本世論に容認されていること、一部の政治屋とメディアがかつて隣国の人々に痛ましい記憶をもたらした軍国主義の象徴に対してしばしば無感覚であり、入念に利用してすらいることを示すのみだ。さらに憂慮されるのは、日本が現在「表では他国を安心させておいて、裏では他国を負かそうと策を施す」「自分で自分を欺き、世界の目をごまかして陰で悪事を働く」「危機的状況になるまで相手に気づかれないよう少しずつ進める」といった手法で、内外世論、法律制度、政策決定メカニズム、軍事力強化、軍事力配備などの面で「ソフトな突破」を図っていることだ。