中国の地方政府がデトロイトのような財政破綻をすることはない
国務院新聞弁公室の1日のプレスブリーフィングで、国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長は「中国の経済運営は全体として落ち着いており、安定成長措置がしっかりと実行されれば、下半期は7.5%の経済成長が可能だ。中国の経済成長はすでにギアチェンジしたが、失速してはならない。盲目的に経済成長を刺激してはならないし、経済の減速が合理的な範囲内を下回るのを放置してもならない。経済はひとたび失速すれば、慣性的下降軌道に入り、信頼の喪失と経済下降が悪性循環を形成する」と指摘した。
また「投資と生産能力の拡大による経済成長の牽引力はすでに弱まってきている。中国経済のモデル転換を加速する根本的な活路は改革の深化にある。政府と市場の境界を明確に定め、市場にさらに権限を委譲しなければならない。戸籍、土地、財政、税制を含む制度改革および公共サービス能力の強化を通じて、農村からの流入人口の市民化を秩序良く推進しなければならない。引き続き生産要素の市場化改革を推進し、資金や土地など生産要素分野に存在する二重制度を改めなければならない」と述べた。
1日から全面的に始まる全国政府債務会計検査については「歳入と土地収益の伸びの鈍化に、地方融資の債務返済がピーク期に入ったことが加わり、地方政府債務のリスクは高まる可能性がある。だが米デトロイト市のような財政破綻をする都市が中国に出てくる可能性は低い」と指摘した。
国家発展改革委員会経済研究所の宋立副所長も「デトロイト市の発展はすでに下降段階に入っているが、中国の都市はいずれも上昇期にあり、都市化を推進する過程で地方政府の適度な負債には一定の必要性がある。多くの地方政府債務は資金の短期返済または誤った配置の問題であり、経常的なリスクや危機が生じることはない」と指摘した。
王氏は「中国の地方債務は最終的にはほとんどが消費ではなく、実物資産を形成している。欧州債務危機のような古い債務を返済するために新たな債務を負うものではない。だが、地方の負債方式には改革が必要だ。インフラ整備など長期的投資は、長期的資金調達ルートを通じて完成する必要がある。最も良い方式は銀行融資ではなく、地方債の発行だ。地方債はより透明だからだ。今回の全面的会計検査は、現有の地方債務の実態を明らかにし、仕分け処理を行なうものだ」と補足した。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月5日