シンガポールの今年の漢字は色情を表す「色」 (2)
その後6月、シンガポール市民防衛庁(SCDF)の林新邦(Peter Lim Sin Pang)・前総監(51)が、総監を務めていた期間に、サプライヤーの女性スタッフ3人に対し契約の見返りとして、性的関係を要求した事件が明るみに。メディアは「シンガポール史上最も悪質な政府高官による『収賄罪』」として報道した。ところが9月、今度はシンガポール中央麻薬局(CNB)の黄文芸(Ng Boon Gay)・前局長(46)が、当時ITベンダーのセールスマネージャーだった女性と性的関係を持ち、その後そのITベンダーとの間で契約を交わしたとして起訴された。このように、政府高官の性的スキャンダルが続出し、シンガポールの社会には衝撃が走り、これまで、「高尚潔白」と見られていたシンガポールの政府は国民の批判の的となっている。
また、政府高官意外に、大学教授や中学校教師などの性的スキャンダルも続出した。さらに、ある大学で奨学金を受けている学生が、みだらな写真や動画をインターネット上に投稿したことが問題になった。
今年1年間を振り返ると、シンガポールの社会では確かに、道徳崩壊を臭わす報道が飛び交い、社会各層の悪事が一網打尽にされた感がある。ただ、「今年の漢字」に「色」を選んだある投票者は、「いつの時代にもこのような事はあった。誘惑に屈してしまとういうことは誰の身にも起きる可能性があること」と指摘し、「だからといって社会の道徳が救いようのない程度にまで崩壊してしまったということではなく、今年その種のニュースが多かっただけ」との見方を示した。社会にとっても、道徳についてもう一度考え直す良い機会で、これをプラスの発展の糧にしてもらいたい。
一方、今年下半期、シンガポールでは官僚がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で人種差別的発言をし、ネット上が大炎上。辞職に追い込まれたというニュースもあったため、あるテレビ局の司会者は「『色』には、『色情』意外に『皮膚の色』と理解することもできる」と指摘している。
なおインフレ圧力が強く、経済が低迷していた2011年の漢字には物価上昇を表す「漲」が選ばれた。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月11日