オフ会メンバー全員で記念撮影 |
昨年の7月に、湖南省の長沙で「第6回国際動漫展覧会」という漫画・アニメのイベントが行われ、そこに出展したある団体のブースのお手伝いに現地に行きました。僕は、そこでボーカルロイドやアニメについて聞かれたときに答えるサポート役をしたり、ブースを訪れた中国人に名前や年齢、好きなアニメやゲームなどを書いてもらうアンケート集めのボランティアの仕事をしたのですが、質問をする側なのに、逆に中国人から色々と質問をされて、日本人だと答えると、「えっ!?本当に?」ってみんなからすっごくびっくりされました。
でも日本人だとわかると喜んでくれて、「日本人なんだ、これ知っている?この文化知ってる?」といろいろと聞かれて、どんどん中国人がブース内に集まってきて、最後にはコスプレイヤーたちの休憩室みたいになってました。でも、アニメ・漫画という共通の話題があることで、一気に中国人の人たちとの距離が縮まり、色々なことを話したり、交流したりして、最後にはみんなで記念写真を撮ったりして、すごく楽しい時間を過ごすことができました。今でもネット上で交流が続いているんですが、このときにも、あらためてアニメ・漫画には国境がないと思いました。
―――――コスプレ活動もされてるようですが、どういったことをしているのでしょうか?
漫研メンバーの中にはコスプレしたり、見たりするのが好きな人も何名かいて、そういうメンバーがコスプレのイベント情報などを送ってくれます。面白そうなイベントの時には、漫研のメンバーに声をかけて、コスプレを見に行ったりしています。でも実は、僕自身はしたことはないんですけどね。(笑)
北京は、コスプレイベントは盛んで、毎週のようにどこかで何らかのコスプレイベントが開催されています。しかも、日本のようにイベント毎にコスプレがジャンル化されて、色々と規制されているイベントとは異なり、様々なスタイルのコスプレイヤーが参加できるので、見ていて面白いです。初心者にも楽しめると思います。今年の春には、北京文化委員会主催の「何人コスプレイヤーを集められるか?ギネスに挑戦」というイベントが対外経済貿易大学で行われたので、みんなで見に行きました。中国の最高学府と言われる清華大学には何百人もいるような非常に大きい漫画研究会があって、コスプレイヤーもたくさんいると聞いています。ただ、コスプレは、やはり重ね着をしたりするので、夏の暑い最中には向いていないですし、もちろん真冬にも向いていないので、大きなイベントはだいたい春に集中して行われます。
中国では、コスプレイヤーと普通のアニメ好きは重なっています。その理由としては、中国で見られるアニメの種類が少ないということがあります。テレビ放送されているアニメというのが第一の情報源で、あとは「ジャンプ」とか週刊誌に載っている漫画ですね。もう少しマニアックなところになると、ニコ堂とか、ボーカロイドの初音未来とか。初音未来以外の類似のボーカルロイドのコスプレも人気がありますし、あと中国では三国志系のコスプレが好きな人が多いですね。戦国武将みたいな格好をしている人とか、どこかのお姫さまみたいな格好をしている人とか、日本では通常見ないタイプのコスプレイヤーもいます。あと、みんながコスプレする場所も、基本的にコスプレイヤーのイベントの時に限られています。
―――――「北京漫画研究会」を主催する上での苦労はありますか?
苦労は、どうやったら中国人にオフ会を楽しんでもらえるかなというところですね。言葉の壁が大きいです。日本人は北京に住んでいても全員が中国語をしゃべれるわけではないんです。そのため、オフ会では自然と日本語がメインになってしまうんですが、そうすると参加してくれている中国人も少し遠慮がちになるというか、萎縮してしまうんですね。中には自分から進んで中国人に積極的に話しかけてくれる日本人の方もいるんですけど、そういう光景を見るとすごく嬉しいです。