米国とASEANの姿勢は実はすでに明らかだ。たとえ同盟関係にあっても、米国は日本の独断専行も、事態が制御不能になることも、日本の一方的な冒険的行為の後始末をさせられることも望んでいない。ASEANも政治的知恵があるため、日本陣営に加わって応援することはあり得ない。米国とASEANの対日支持には条件と限度がある。
だが数々の兆候は、たとえ外部勢力の支持がなくても、安倍内閣が日本を再び戦争の道へ引きずり込もうとしているらしいことを示している。アベノミクスによる好材料が次第に遠のくに伴い、アベノ軍事学が安倍内閣の新たな看板となりつつある。安倍氏は中国との紛争の助けを借りて、剛健有為で不撓不屈という自らのイメージを国民間に確立することを必要としているのかも知れない。日本国内では2014年は「安保の年」との見解がすでに広まっている。本当にそうなら、東アジアにとっては間違いなく悲劇だ。
このところ、欧州メディアは東アジアの島嶼係争が招く危機的状況について盛んに議論し始めている。憲法改正といった重大な問題においても、米国の対日姿勢は比較的曖昧で、寛大だ。米国の戦略構想では、日本はまだ容認できない最後の一線を越えていないのかも知れない。力の弱まっている米国は、日本が地域の安全保障問題でより主導的、積極的な役割を果たすことを必要としている。もちろん、現段階で日本が自ら軍事衝突を引き起こす可能性は高くない。安倍氏は時間をかけて「積極的平和主義」の理念を宣伝し、国民の支持を得る必要がある。すぐに衝突を引き起こすのは、安倍氏にとっては耐えようのない大きな政治的賭けとなる。米国も日本が戦端を開くのを座視することはあり得ない。先日の中米軍艦の海上遭遇事件は、自らの利益が損なわれた時に立ち上がって抗争する中国の断固たる姿勢と勇敢さ、毅然さをはっきりと示した。そのため、衝突の阻止が米国の初動反応となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月22日