化学兵器禁止機関(OPCW)は18日、シリアの化学兵器廃棄作業に中国、ロシア、米国、ノルウェーなどが協力すると発表した。作業は19日に開始する。ノルウェーとスウェーデンはすでに今月初めに、合同行動を展開してシリアの化学兵器を海上輸送で国外に搬出し、廃棄すると発表していた。中国とロシアも海上護衛を行う。中国軍備抑制・軍縮協会の陳凱秘書長は18日の取材に「中国海軍の軍艦が地中海で護衛任務を行うのは初めてだ。中国が化学兵器廃棄のための輸送活動に参加するのも初めてであり、大きな意義を持つ」と述べた。環球時報が伝えた。
OPCW執行理事会は17日夜の会議で、ウズンジュ事務局長が提出したシリア化学兵器の国外廃棄に関する詳細な計画について話し合い、決定を了承した。英BBCの18日の報道によると、まずロシアの武装輸送車がシリア国内12カ所で化学兵器を集め、地中海に面した同国ラタキアの港まで運ぶ。この間、中国がモニターと救急車10台、米国が衛星測位サービスを提供する。ノルウェーとデンマークの輸送船と海軍護衛艦が化学兵器をイタリアの某港まで運び、米海軍に引き渡す。米海軍はチタン合金コンテナなどの設備を持つ軍艦で化学兵器を国際海域まで運び廃棄する。来年3月末までに主要化学兵器を廃棄し、6月末までに全ての化学兵器の廃棄を完了する計画だ。だがウズンジュ事務局長によると安全情勢、国際輸送手続き、天候などの理由で計画は遅れる可能性がある。
陳氏は「シリア国内の情勢は複雑なため、公海上の廃棄地点までの長い輸送と護衛の段階が非常に重要だ。海上護衛に中国が選ばれたのは、中国海軍は強大な海上護衛能力を持つうえ、ソマリア沖海賊関連の護衛活動を通じて国際的な護衛経験を蓄積しているからだ。この活動は望めばどの国でも参加できるものではないので、中国が護衛に参加できたことは中国の国際的地位の現れだ」と指摘。「中国海軍がどの軍艦を何隻派遣するかはまだ未定だ。今回シリアの化学兵器廃棄に各国が参加することは、国際社会の協力を通じた地域問題解決の模範となる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年12月20日