上半期の中国映画界 小・中規模映画のヒット目立つ
今年上半期の中国映画市場の興行収入は総計109億元(約1789億円)を超えた。前期から30億元(約489億6000万円)の増加だ。このうち、興行ランキングトップ10にランクインした国産映画が45億元(約734億4000万円)を占める一方、外国映画は33億元(約538億5600万円)に過ぎなかった。上半期の興行成績トップに輝いたのは12億元(約195億8400万円)を上げた周星馳(チャウ・シンチー)監督作「西遊降魔篇」となった。このような国産映画の興収の急速な伸びは、多くの人に中国映画の明るい未来を期待させた。「中国文化報」が伝えた。
客観的にみると、上半期の国産映画に対する保護措置が非常に良い効果を生み出した。政策は国産映画によりよい客観的な環境をもたらし、伝統的なハリウッド映画に打撃を与えた。この国産映画の保護政策は、非難されるべきものではない。バランスが取れていない2つの映画市場が競い合う場合、弱者が政府の効果的な支持政策を得るというのは、発展途上国よりも欧州や日韓などの方が一般化している。また、別の方面では、上半期の中国映画市場は真の意味で、世界的な大ブームを巻き起こした巨匠ジェームズ・キャメロン監督作「アバター」(2009)のような超大作映画がなかったことも挙げられる。上半期の外国映画で興行成績トップとなった「アイアンマン3」はある程度、シリーズ映画が生み出す連動波及効果によるヒットだった。これは数年前であれば想像できないことだった。
この2つの要因のほかに、主観的な映画ジャンルの偏向にも大きな要因がある。製作者たちは以前のように大作映画を撮ることを必然的な目標と考えなくなっており、より小・中規模予算の映画製作を好むようになってきた。小・中規模コストの製作はリスクが低く、製作期間も短い。消費至上主義の現在、このような投資先を選択することがベストであることは明らかだ。これは、技術的な遅れや物語を描く能力の低下が叫ばれた張芸謀(チャン・イーモウ)監督作「ヒーロー」(原題:英雄)などの国産大作映画のおかげだ。こうした大作に見飽きて食傷気味になった観客は、コメディやラブストーリーなどを中心とする小・中規模映画に視線を向けるようになった。