上半期の中国映画界 小・中規模映画のヒット目立つ (2)
この現象について、上半期の大ヒットラブコメディ「北京遇上西雅図」を撮影した薛暁路・監督は、小・中規模予算映画が好調な理由について、「最も基本となる物語に回帰したから」と指摘する。「大監督たちは高い位置から見下ろすような態度で映画作りを行うのに対し、新鋭監督たちはより通俗的かつ商業的な態度で観客たちと向き合う」
しかし、中国の大手映画製作会社・華誼兄弟伝媒の王中磊・社長は、「中国映画市場にはよりバラエティー豊かな映画ジャンルが必要だ。ひとつのジャンルが業界全体を支えていくことは難しい。小・中規模予算の映画の興行成績が好調だからといっても、蜂のように群がって皆同じものを撮影するようではいけない。利益の最大化ばかりを吹聴するのは中国映画界にとって不健全だ。文芸映画と商業映画は異なる基準で評価されるべき」と指摘する。
現在、中国映画市場の躍進は目覚しい。しかし一方で、国産映画は一般的に芸術レベルが低く、製作システムも未成熟で、製作者の態度が浮ついていることが、上半期の議論の焦点にもなっていた。映画界は投機至上主義のムードにあふれている。創作よりも利益を重視することは、映画をこの時代の最も優れた消費品にさせると同時に、未来の発展の中にリスクをはらませている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年7月19日