化学兵器禁止条約(CWC)の第5回運用検討会議が15日、オランダ・ハーグで開幕した。中国代表団は日本が中国に遺棄した化学兵器の問題について会議で検討するよう積極的に働きかけるとともに、会場で日本の遺棄化学兵器に関する展示を行った。新華社が伝えた。
外交部(外務省)軍備管理司(局)の孫暁波司長は日本の遺棄化学兵器の歴史的経緯、現実的危害、現在の課題を全面的に説明。CWCが化学兵器遺棄国である日本の尽くすべき義務について明確な規定を設けていることを強調した。CWCの発効からすでに26年になるが、日本による遺棄化学兵器の廃棄作業は完了には程遠く、「化学兵器なき世界」という共通の目標を国際社会が達成するうえで、最も現実的な課題となっている。
孫司長は「遺棄化学兵器の廃棄は日本が果たすべき歴史的責任であり、国際的義務だ。中国は化学兵器禁止機関(OPCW)及び数多くの締約国が日本の遺棄化学兵器廃棄の過程において発揮している重要な役割を高く評価し、各国に対して、日本に対する監視・査察を強化し、廃棄過程をより大きく、より速く進展させるよう呼びかける」と述べた。
フェルナンド・アリアスOPCW事務局長は「OPCWは常に日本の遺棄化学兵器の問題に強く注目している。世界で保有される化学兵器の廃棄が近く完了する中、日本の遺棄化学兵器問題の重要性が一層際立ってきている。今回の展示を通じて、各国は日本の遺棄化学兵器問題への理解を深めるものと信じる。現在も中国国内では日本の遺棄した化学兵器が新たに発見され続けている。OPCWは引き続き監視・査察体制を通じて、日本の遺棄化学兵器の廃棄を加速するためにあらゆる必要な協力をしていく」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年5月17日