中国の呉懇・化学兵器禁止機関(OPCW)常駐代表は28日「化学兵器なき世界という目標の達成は依然として任重く道遠しだ。今後OPCWは化学兵器の軍縮、不拡散、国際協力、防護と援助の4つの問題の均衡ある推進を検討すべきだ」と表明した。新華社が伝えた。
呉氏は化学兵器禁止条約(CWC)第22回締約国会議の一般討論演説で「国際安全保障体制を構成する重要な一部として、CWC及びOPCWは過去20年間、世界と地域の平和・安全の促進、化学兵器軍縮・不拡散分野で代替不能な役割を発揮し、卓越した成果を挙げてきた。だが化学兵器の廃棄はまだ完了せず、化学兵器を使用したとされる事件が多発し、非国家主体が化学兵器を入手・使用する危険性が高まっており、化学兵器なき世界という目標の達成は依然として任重く道遠しだ」と指摘した。
また、「化学兵器の完全廃棄はCWCの核心的趣旨であるのみならず、OPCWにとって今後相当長期間にわたる最重要任務でもある。化学兵器なき世界の実現、人類の共通の安全の維持は、各国の一致した期待を反映しており、国際社会の共通利益に合致し、人類運命共同体の構築にとって有るべき筋道でもある。中国側は各国と一致協力して、平和が永続し、普遍的に安全で、共に繁栄する、開放的で包摂的な、清潔で美しい化学兵器なき世界の構築を推し進めたい」と述べた。
呉氏はさらに「OPCWは日本の遺棄化学兵器の廃棄作業を特に注視すべきだ。日本の遺棄化学兵器が除去されなければ、化学兵器なき世界という目標の真の達成はない」と指摘した。
「日本の対中侵略戦争終結からすでに70年余りになるが、日本が中国に遺棄した大量の化学兵器は今なお中国国民の生命と環境の安全を脅かしている。日本側はCWCの定める期限内に廃棄を完了していない。この責任は完全に日本側にある。中国側は日本に対して、政治的意志を示し、CWCの義務をしっかりと履行し、廃棄計画に厳格に従い、期限通りの完全廃棄を確保するよう求める」と表明した。
呉氏はさらに「化学兵器の被害国として中国はかねてより、いかなる国、組織、個人であれ、いかなる状況下、いかなる目的であれ、化学兵器の使用に断固反対してきた」と重ねて表明した。
「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」(略称:化学兵器禁止条約、CWC)は1997年4月29日に発効した。OPCWの監督下、全世界で保有の申告された化学兵器のすでに96%が廃棄された。
CWCの締約国は現在192カ国。締約国会議はOPCW本部のあるオランダ・ハーグで毎年開催されている。今回の会議は12月1日に閉幕する。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年11月29日
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