鳥の渡りは最も壮大な自然景観の1つで、群れをなして数千キロの距離を、時には1万キロ以上の距離を飛ぶ渡り鳥は、「百鳥の図」のような雄大で美しい眺めを作り出している。中国天気網はこのほど「2023年春の北帰行の渡り鳥ウォッチングマップ」を特別に作成した。これを見ればどの鳥がいつ頃移動するのかすぐにわかる。
春の北帰行の渡り鳥13種類の観察スポットが徐々にシーズン迎える
渡り鳥は季節ごとに周期的に移動する鳥類のことで、毎年春と秋に決まったルートに沿って繁殖地と避寒地を往復する。中国の温帯地域の夏は昼が長く夜が短く、餌を探したり雛を育てるのに適していると同時に、昆虫が多く、天敵が少ないため、渡り鳥の繁殖にとって絶好の場所だ。一方、熱帯地域は冬の気候が暖かく、食べ物が豊富で、渡り鳥の越冬と避寒に適している。
毎年春になると、渡り鳥の群れが越冬地を飛び立ち、山や川を越えて、北の故郷へ帰って行く。北京市、河北省秦皇島市北戴河区、山東省東営市など13ヶ所の渡り鳥ウォッチングスポットも、北帰行の渡り鳥の観察シーズンを相次いで迎えることになる。
2月には、南方地域で天気が暖かくなり、移動中の渡り鳥の中継地としての浙江省寧波市の杭州湾国家湿地公園、上海市の東灘鳥類国家級自然保護区、江蘇省塩城市の丹頂鶴湿地エコ観光区なども相次いで観察シーズンを迎える。3月になると、気温がさらに上がり、鳥たちは続々と北へ飛び立つ。
3-5月には、北の故郷に戻る渡り鳥が多いが、中には元の場所にとどまって次の世代を産み育てる鳥や、少し休憩してからさらに北へ向かって国境を越える鳥もいる。北戴河は世界4大バードウォッチングスポットの1つで、森林湿地公園の生態環境が素晴らしく、鳥類資源が豊富だ。東営の黄河口エコ観光区は写真愛好家に開放されたバードウォッチング拠点で、毎年渡り鳥の移動季節になると、数えきれない鳥が飛来して実に壮観な眺めになり、名実ともに「鳥類の国際空港」だ。遼寧省丹東市の鴨緑江口国家湿地はシギ・チドリ類の水鳥の渡り鳥が数多く飛来することで世界的に有名だ。この水鳥の多くはオーストラリアとニュージーランドから飛来しており、ここで休憩を取った後、さらに北上してロシアのシベリアや米国のアラスカへ飛び立つ。
中国の西部地域では、春の渡り鳥が見られるシーズンは他の場所よりもやや遅い。新疆維吾爾(ウイグル)自治区和静県の巴音布魯克(バインブルック)草原の国家級自然保護区は、中国最初のハクチョウ自然保護区で、5-6月になると、インドとアフリカ南部から数々の険しい山を飛び越えて数多くのハクチョウが飛来して、ここに生息し次世代を産み育てる。
春になって鳥を眺めるのはとても楽しいアウトドア活動だが、鳥類は警戒心が強いので、観察する時は適度な距離を保ち、大声を立てない。写真を撮るときも、大勢で取り囲んで撮影するようなことはせず、フラッシュやドローンも使わないように心がけるべきだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月17日