サウジアラビアとイランは中国が仲介する形で、3月6日から10日まで北京で協議を行った。両国は10日に北京合意に至り、中国、サウジアラビア、イランは共同声明に署名し、サウジアラビアとイランが外交関係の正常化、各分野の協力の実施で合意したことを発表した。新華社が伝えた。
複数の中東問題専門家は取材を受け、「サウジアラビアとイランを握手と和解、国交回復に導いたことは、中東の安全と安定の促進者、発展と繁栄の協力者、団結と自強の推進者としての中国の役割を存分に示し、大国としての中国の責任感を示した」との見方を示した。
専門家は、「今回サウジアラビアとイランが北京での協議で重要な成果に至るうえで、双方どちらの利益にとってもそれが必要だったという事情もあるが、合意のためには中国の積極的な後押しも不可欠だった。中国は中東諸国と広範な友好関係を維持し、中東の紛争問題や敏感な議題の扱いにおいて、独自の強みを持つ」とする。
中国現代国際関係研究院中東研究所の牛新春所長は「和平交渉の促進は国際紛争問題において中国が堅持している一貫した立場だ。西側の一部の国と比べ、中国は中東各国と友好的関係を維持し、陣営選択をせず、一方の肩を持つこともないため、調停・仲裁国として信頼されている」と指摘する。
上海外国語大学中東研究所の丁隆教授は、習近平国家主席が昨年12月にサウジアラビア訪問を成功させたこと、イランのライシ大統領が今年2月に習主席の招待を受けて訪中したことに注目。両国にとって中国は信頼できる友人だと指摘する。2019年以降、中国は中東安全保障フォーラムを2回開催し、中東の安全と安定の促進のために中国の知恵で貢献し、広範な共通認識を形成してきた。丁教授は、「こうした外交活動は、中国がサウジアラビアとイランを和解へと導くことを成功するための地ならしとなった。今回の協議は、まさにグローバル安全保障イニシアティブの成功した実践であったと言えるだろう」とする。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月14日