羊の「ドリー」の誕生により、クローン技術が広く知られるようになった。それから27年後、中国人はこれを優良種乳牛の急速な繁殖に用いた。中央テレビニュースが伝えた。
寧夏科学技術庁が31日に正式に発表した情報によると、体細胞クローン技術を利用しクローンした3頭の高生産量長寿乳牛が、春節前に次々と誕生した。中国がクローン技術を用い、既存群のうち生涯の牛乳生産量が100トンを超える優良ホルスタインの個体を対象とする遺伝資源復元保存及び優良種繁殖を行ったのは初めてとなる。
初めて誕生したクローン乳牛の体重は56.7キログラム、体高は76センチメートル、体長は113センチメートルで、誕生から30分後に初乳を飲み始めた。臨床検査では健康で、その体型と模様は体細胞ドナー乳牛と完全に一致した。
これらのクローン乳牛は、生産性能の記録と体型の評定に基づき、群体の中で高生産量・長寿で抵抗力の強いスター乳牛を選び、耳周囲組織を採取し、皮膚繊維芽細胞を培養。核移植によりクローン胚を生産するとともに、胚移植を行うことで、100トン級スター牛群体の中心的なメンバーとなった。最初に移植された120のクローン胚の第1回検査の妊娠率は42%で、200日以上の妊娠率は17.5%。これは同技術が実際の応用においてさらに成熟し、初めてクローン技術を乳牛良種育成の鍵となる部分に用いることに成功し、世界の先端レベルに達したことを示している。これは2022年10月の乳牛生体採卵・体外胚生産(OPU-IVP)技術の応用の成功に続く、乳牛良種育成技術分野の新たな重要なブレイクスルーとなった。
西北農林科技大学の靳亜平教授は、「体細胞クローン技術の新領域での応用は、生体牛を導入する上でのバイオセキュリティリスクを回避し、淘汰の危機に瀕する優良種資源を極めて大きく救っている。中国国内での適応性とストレス抵抗性の高いスーパー乳牛の再生と群体拡大を実現し、超高生産量乳牛育種群体を形成し、国内の独自の知的財産権を持つ良種雌牛及び予備の雄牛の選定・育成に優良資源を提供している」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年2月1日