食材を選んだり、それを洗ったり切ったり、盛り付けを工夫したりしなくてよく、料理の腕前も不要で、パッケージを開けて、数分間簡単に温めれば、おいしい豪華料理を家で「再現」できる。おうち経済の発展に伴い、これまで表舞台には出てこなかった半調理品が舞台裏から舞台の真ん中に踊り出て、数多くの消費者の食卓に並ぶ新たな人気メニューになった。
羊のもも肉焼き、黒三剁(豚肉やカブなどを小さなブロック状にして炒めた料理)、ナスの揚げ炒め、魚の浮き袋入り鶏スープ、トマトと莜麦パスタの煮込み……北京市石景山区に住む孟麗さんは少し前、店でセールをしていたので多くの半調理品を購入した。「半調理品はどれも加工済みで、食べたいときに冷蔵庫から出して解凍・加熱すればいい。味も悪くない」と孟さん。
人々の生活リズムが加速するにつれ、ここ数年間、半調理品が急激なスピードで発展し、消費者の視界に入るようになってきた。商務部(省)がまとめたデータでは、2022年の全国オンライン正月用品イベント期間に、半調理品の売上高は前年同期比45.9%増、叮咚買菜は同400%増、淘宝(タオバオ)は同100%増、盒馬鮮生は同345%増だった。
これはまだほんの序の口に過ぎない。統計によれば、21年の中国半調理品市場の規模は同19.8%増の3459億元(1元は約19.4円)だった。「中国調理協会五年(2021-25年)活動計画」によると、現在の中国国内での半調理品の普及率は10-15%にとどまるが、30年には15-20%に上昇し、市場規模も1兆2千億元に拡大することが予想されるという。
半調理品の消費と関連する消費者層には、具体的にどんな特徴があるのか。京東消費・産業発展研究院が京東超市と共同で発表した「2022年半調理品オンライン消費トレンド・インサイト報告」によると、22年1-10月に、半調理品の取引額が同170%増加した。半調理品の味の広がりにともなって、中国八大料理の製品が目覚ましい成長率を達成した。消費者が半調理品を購入するタイミングが、これまでの祝祭日から日常へと移り変わった。注目されるのは、若年層が徐々に半調理品の消費の中心になったことで、26-45歳のユーザーによる半調理品取引額が全体の7割以上を占め、女性が56%に達した。また年齢が上がるほど、半調理品の品質への関心が高まり、両者は正比例の関係にある。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年1月10日