40歳になった「甜心教主(スイートハートリーダー)」の王心凌(シンディー・ワン)が再ブレイク中だ。彼女が出演するバラエティ番組を手がけた芒果超媒股份有限公司の株を、ファンの中年男性は「王心凌概念株」などと呼び、相次いで購入して応援したため、24日には株価が10%近く反転上昇した。中古品取引プラットフォームの閑魚に出品されたサイン入り中古CDにも、1千元(1元は約19.0円)以上の値が付いた。
羅大佑(ルオ・ダーヨウ)、孫燕姿(スン・イェンツー)、Tank(呂建中)などおなじみのアーティストも、最近になって活動再開やオンラインライブ開催の情報が相次いで伝えられている。
サイン入り中古CDが1千元以上に
王心凌がバラエティ番組「乗風破浪」の第3シーズンに最初に出演した時に持ち歌の「愛你」を歌うと、その情報がインターネットで次々に拡散された。
SNSにも大勢の「王心凌の男性ファン」が登場した。この一定の経済力を備えたかつての少年たちは、持てる購買力を芒果超媒に投じている。5月23日から株価は3日連続で上昇し、24日は10%近く上昇し、26日の終値は1.54%上昇の38.29元だった。
ファンの趙さんは、「学生時代はお金がなくてぼくの女神のアルバムを買えなかった。今、株を買うのは青春時代の思い出の埋め合わせをしているようなもの」と話す。
王心凌は株だけでなく、グッズの中古品取引きにも火を付けた。特にカセットテープやCDなどの「古い物」に人気がある。
別の中古品取引プラットフォームのデータを見ると、26日現在、「王心凌」の検索人気度は番組が始まる前の20日より約24倍増加した。ここ1週間は、中古プラットフォームに出品されたカセットテープ、CD、サイン入り写真などのグッズは、数量が番組放送開始前より約6倍増加した。
試しに「王心凌」をキーワードに検索すると、カセットテープやCDなどのグッズが大量に売られており、中古もあれば、新品未使用品もあり、価格は28-300元と幅がある。サイン入りCDは千元を超えるものもある。
懐かしい歌手が続々カムバック
5月26日、微博(ウェイボー)の検索ランキングに「娯楽のルネサンス」というワードが登場した。「乗風破浪」だけでなく、多くの歌手がこの「思い出ブーム」という名の急行列車に乗る方法を模索するようになった。
25日には歌手のTankが個人の微博に長い文章を発表してカムバックを宣言し、新曲「屈しない木」のリリースも明らかにした。このニュースが伝わると、持ち歌の「三国の恋」と「千年の涙」が急上昇ランキングに登場した。
羅大佑がさきに発表した情報によると、27日に微信(WeChat)でオンライン・ソロコンサートを行ない、懐かしい曲の数々を披露するという。
孫燕姿もショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」でオンライン「トークコンサート」を行なう予定で、この情報が伝わると「『乗風破浪』に孫燕姿は出られないのか」が微博の検索でトレンド入りした。
どうやって情熱をキープするか
音楽評論家の周琳さんは、「バラエティ番組が視聴率で成功することも、懐かしい歌手が再ブレイクで成功することも、社会のさまざまなターゲット層に対する正確なマーケティングと切り離せない。『乗風破浪』は中年男性に向けて青春時代を思い出す雰囲気作りをしたこと、王心凌の歌にはシンプルでわかりやすい、元気のいいメロディといった拡散しやすい特徴があること、さらに彼女が芸能界で積み上げてきた確かなキャリア、という3つの要因が作用し合って人気沸騰を後押しした」と説明する。
周さんは、「鉄を打つなら先ず自分自身が硬くなければならない。思い入れだけでなく、思い出の曲が再ブレイクすると同時に、質の高い新作も打ち出していかなければ、人気を維持することはできない」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年5月30日