ここ数年、小さな化粧品のサンプルが商品として爆発的な売れ行きを示し、オフライン小売店舗やEC大手がここに商機を見いだし、さまざまな競争が繰り広げられている。「北京日報」が伝えた。
実のところ、化粧品サンプルは早くも1950年代に登場した。米化粧品メーカーのエスティローダーの創業者が当時、無料のお試しセットのサンプルを配布する形でブランドのPRを行い、このスタイルは十分なPR効果を上げた。その後しばらく、化粧品を買うと小さなサンプルがついてくるのが、多くのブランドの主な宣伝・販売促進の方法になっていた。
化粧品サンプルに若者が夢中になるのは、「小さくて、効果があり、魅力的だから」であり、無料で化粧品を試せるだけでなく、出費も抑えることができるからだ。ここ2年ほど、精巧なミニサイズでさまざまな種類がそろったサンプルが爆発的な人気を集め、徐々に各ブランドが消費者を呼び込む手段になると同時に、一定の規模を備えた「サンプル経済」も生まれた。
化粧品メーカーから見ると、消費者にサンプルを無料で配布したり低価格で販売したりすれば、高額の広告費用を削減することができる上、実際に試してみることで消費者にもたらされる体験の充実感は広告よりもはるかに説得力があり、ブランドの潜在的な顧客層を育てることにもなる。消費者から見ると、サンプルは新鮮な印象があり持ち運びに便利で、これが現代の消費者の消費理念にぴたりと一致し、さらにコストパフォーマンスの高さが大勢の若者にとっての魅力にもなった。こうしたことから、「サンプル経済」はその誕生と発展に一定の必然性があり、EC時代の化粧品メーカーのブランドPR・マーケティングの理念の刷新を体現するものであり、若者の消費理念の転換に順応したものだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年4月8日