清華大学グローバル健康・伝染病研究センター主任とエイズ総合研究センター主任を務める清華大学医学院の張林琦教授が率いる研究チームと深セン市第三人民病院、騰盛博薬生物科技が共同開発した、新型コロナウイルス中和抗体共同治療薬である安巴韋モノクローナル抗体注射液「BRII-196」と「BRII-198」が12月8日、中国国家薬品監督管理局によって市場販売が承認された。今回承認された新薬は、中国が初めて独自に開発し、無作為・二重盲検・プラセボなどの対照実験を通じて有効性が証明された新型コロナウイルス特攻薬となっている。
張林琦教授は、「今回開発された新薬は、治療・予防ともに効果を発揮する。1度の投与で9ヶ月から1年間効果が持続する」としている。
今回の承認は、米国国立衛生研究所(NIH)によるACTIV-2の第3相臨床試験に基づくもので、患者847人の中期評価と最終結果が含まれている。最終結果によると、プラセボに比べ、安巴韋モノクローナル抗体注射液を投与した場合の新型コロナウイルス患者の入院率と死亡率のリスクが80%(中期評価では78%)低下する結果が得られた。張林琦教授は、「今回の新たな治療法は、海外の各センターで行われている試験において、優れた安全性と保護性を示しており、今までのところ、世界で唯一、変異株の感染者を対象とした治療効果が得られ、最も優れたデータが獲得された抗体薬となっている」としている。
この新薬が市場販売された後には、新型コロナウイルス陽性者の治療に用いられ、軽症や中等症だけでなく、重症化の危険リスクが高い成人および子供(年齢12歳以上、体重40キロ以上)の患者を対象に投与されることになる。また、循環器疾患や糖尿病、肥満症などの基礎疾患がある患者に対しても、同新薬を使用することができる。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年12月10日