ヒューマンリソースを専門とする中智諮詢が17日に上海で発表した「製造業2021年ヒューマンキャピタル調査」の結果によると、2021年には半数近くの製造企業が人員採用枠を増やしており、スマート製造の人材不足が比較的顕著だった。また、先進的製造業では研究開発者が20%近くを占め、専門的な技能人材が依然として不足していた。中国新聞網が伝えた。
調査結果によると、2021年上半期、製造企業は業績達成状況が比較的良好で、50%の企業が年間業績の半分以上を達成していた。経営業績の好転にともない、企業の人材ニーズが拡大し、48%の製造企業は2021年に人員採用枠を増やし、4割近くの企業が2021下半期の募集枠を増やしており、企業の求人規模は一般的に300人以上となっている。
職種別の求人を見てみると、製造企業の求人が最も多いのは技術者と第一線で働く操作担当者だった。最も求人難となっているのは研究開発、デジタル化・販売スタッフ。そのうち、データ管理、アークテクト、データエンジニア、スマート化エンジニア、ロボット調整エンジニアなど、スマート製造の人材不足が比較的深刻だった。賃上げ率ではデジタル化分野の技術人材が最も大きく、転職の際の給与アップ率は40%にも及んでいる。また、インダストリアル・インターネット分野の人材ニーズが高まっており、ニーズの増え幅は30%に達していた。
企業の人材ニーズ回復にともない、2021年の人員流動活発度も高まっている。43%の製造企業が2021年上半期に従業員の自己都合退職率が上がったと回答。製造業の上半期における自己都合退職率は平均9.1%と、前年同期比で1.2ポイント上昇。うち電子製造、軽工業製造、電気設備分野の自己都合退職率が著しく上がっており、いずれも10%を超えた。
研究開発者は技術イノベーションの核心的原動力だ。2020年、先進的製造上場企業における研究開発者の割合は19.9%を超え、全業種の平均水準(17.3%)を2.6ポイント上回り、製造業(15.9%)より4ポイント高かった。
調査結果によると、スマート製造とオートメーション化技術の推進にともない、企業の技能型ブルーカラーへのニーズが明らかに高まり、41.3%の企業が技能型ブルーカラーの採用枠を増やしたと回答した。現在の製造業の人手不足、特に技能人材の不足という状況下では、企業は高等職業学校や高等専門学校の技能人材に注目し、誘致・育成することが必要になっている。
今回の調査に回答した企業のうち、76%の製造型企業が2021年に従業員の給与を調整するとしており、2020年より13%増えた。実際の給与調整率を見てみると、製造業の賃上げ率は平均6.2%で、2020年の5.9%より高くなる見通しだ。業種別に細かく見てみると、スマート製造分野の2021年賃上げ率が6.7%で最も高く、次が電気設備分野の6.4%だった。
スマート化が進み、デジタル化マーケティングやデジタルスマートファクトリーなどの技術発展にともない、企業のハイレベルなデジタル化人材に対するニーズは高まり続け、関連職種の給与もかなり魅力的なものになっている。例えば、2021年のAIエンジニアの年間現金総収入の中央値は39万6000元(1元は約17.0円)で、研究開発エンジニアが20万4000元。前者は後者の2倍近くとなっている。(編集AK)
「人民網日本語版」2021年9月18日