ノースプラッシュ5本！高飛込金メダルの天才少女・全紅嬋選手

わずか14歳、初めての海外遠征試合、初めての国際大会出場、5回の演技のうち3回で満点、五輪史上最高得点、中国代表団として東京五輪で33個目の金メダル獲得、今回の中国代表団で最年少の五輪チャンピオン……東京五輪の女子高飛込で金メダルを獲得した中国の全紅嬋選手のすごさは、語り出すときりがないほどだ。新華社が伝えた。

「水餃子をお湯に入れてゆでる時より水しぶきが上がらない！」、「天才少女！」、「水しぶきを立てない技術がすごい！」

若きチャンピオンには、こうした賛辞が次々に寄せられた。全選手は5日の決勝で466.20点の過去最高得点をたたきだして優勝。これまでの最高は陳若琳選手が北京五輪で出した447.70点だった。

8月5日、五輪表彰式で表彰される全紅嬋選手（撮影・許暢）。

全選手は広東省湛江市の村で生まれた。同市は南中国海に臨む小都市で、中国の「飛込のふるさと」と呼ばれ、これまでに労麗詩、何衝、何超らの世界チャンピオンを輩出している。

全選手の家はサトウキビと果物の栽培農家だ。

多くの飛込選手が体操からスタートしているのと異なり、全選手は7歳で初めて飛込を始め、11歳で広東省チームに入り、2020年10月に行われた東京五輪と飛込ワールドカップの選考会を兼ねた中国の全国飛込選手権の第1戦に登場して周囲を驚かせた。女子10メートル高飛込の決勝では、任茜や張家斉、陳芋汐らの有名選手を破り、東京五輪の切符を手にした。

8月5日、試合中の全紅嬋選手（撮影・丁旭）。

「五輪は全国大会とあまり変わらない。演技前にコーチから『リラックスして、緊張しないように』と言われた」。

8月5日、演技後の全紅嬋選手（写真前列右）と劉犇コーチ（写真前列中央、撮影・許暢）。

演技では、全選手は全く緊張することもなく、ライバルの演技に気を取られることもなかった。「自分の演技のポイントのことを考えていた」と言う。大型スクリーンに全選手が優勝したことが表示されると、劉犇メインコーチは教え子を抱きしめ、高々と持ち上げて、勝利を祝福した。

8月5日、演技後に勝利を祝福される全紅嬋選手（写真上、撮影・許暢）。

身長1メートル43センチの全選手にとって、五輪の金メダルは少し大きすぎるようで、全選手は金メダルと自分の顔を比べて、いたずらっぽくメダルで目を隠してみせた。「金メダルはすごく重いし、自分の顔よりも大きいみたい。パパとママに感謝している。私を励ましてくれ、勇気を与えてくれたことにありがとうと言いたい。うまく飛び込めるか、（メダルを）取れるかどうかは関係なかった」と全選手は語った。（編集KS）

「人民網日本語版」2021年8月7日