長吻三岐魚(右)と昭通三岐魚の生態復元図。楊定華氏が作成。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所が1日に明らかにしたところによると、同研究所などの機関の研究者が初めて雲南省曲靖市の「古代魚王国」で、4億1000万年前の泳ぐ「トライデント」こと長吻三岐魚の痕跡を発見した。長吻三岐魚の曲靖市の「古代魚王国」での初発見は、三岐魚科の形態の特徴を豊富にし、甲冑魚類の早期デボン紀の適応放散を模索する鍵となる材料を提供した。関連成果は専門誌「古生物多様性と古環境」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。
デボン紀の「海を泳ぐトライデント」と呼ばれる長吻三岐魚は、無顎類甲冑魚亜綱三岐魚科で、頭の形が古代兵器のトライデントに似ており、頭部の尖った部分が非常に長いことからこのように名付けられた。三岐魚科は無顎類甲冑魚の中で常に神秘的かつ独特な存在で、その象徴的なトライデント型の頭と半月型の鼻孔により、その他の甲冑魚類と区別しやすい。現在は、長吻三岐魚、昭通三岐魚、ベトナム三岐魚の1属・3種のみで、三岐魚の三兄弟と呼んでいいだろう。同研究所の蓋志琨副研究員は「そのため、三岐魚科は現在の甲冑魚類の中で唯一、生物分類上、上の階級に1つの属しかない科でもある」と述べた。
長吻三岐魚の化石。蓋志琨副研究員が提供。
これまでの研究によると、三岐魚の地理的分布は南北に千キロメートルも離れている。蓋氏は「遊泳能力が低く、海底に暮らす三岐魚がいかに長距離移動を行ったかは、古生物学界を悩ます謎となっている」と述べた。
「長吻三岐魚の雲南省曲靖市の『古代魚王国』での初発見は、三歧魚の華南プレートにおける分布範囲を拡大しただけでなく、曲靖地区はちょうど四川省江油地区とベトナム北部の間に位置するため、三岐魚の南北分布の地理的空白を埋め、三岐魚の南北の移動ルートの研究に重要な資料も提供した。それゆえに独特な生物地理学的意義を持つ」と蓋氏は言う。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月2日