3月23日、エジプトのスエズ運河でコンテナ船の座礁による「世紀の大渋滞」が起こり、全長約400メートルの大型コンテナ船が航路をふさぎ運航が中断してから、すでに1週間が経った。最新の情報によると、コンテナ船は移動のための浮上作業が始まったが、運航がスムーズに再開するまであと3日あまりかかるという。中国新聞網が伝えた。
パルプの輸送が影響を受ける可能性があり、世界中でトイレットペーパー不足のリスクが高まるとみられる。報道によれば、世界の製紙大手のブラジルのスザノ社は、「輸送コンテナが足止めされてしまい、トイレットペーパーメーカーへの引き渡しが遅れるかもしれない。問題が悪化し続けていけば、世界的なトイレットペーパー不足は避けられないだろう」との見方を示したという。
スエズ運河の渋滞の影響を受けて、中国のトイレットペーパーも値上がりするのだろうか。
中国国内でトイレットペーパーは確かに値上がりするだろうが、根本的な原因は原材料価格の上昇であり、すでに値上げに向けた素地はある程度できていた。
中国の複数の製紙メーカーがこのほど値上げを発表した。衛生用紙大手の中順潔柔(C&S Paper)によると、「原材料価格が上昇を続け、4月1日から当社の衛生用紙商品の価格を大幅に調整する予定だ」という。維達紙業(北京)有限公司も、「原材料価格が持続的に値上がりして、製造コストが急激に増加したため、4月1日から維達ブランドの一部商品について1回目の価格調整を行なう予定」とした。また3月初めには、金紅葉紙業集団有限公司も値上げの通知を出し、3月1日に「清風」ブランドの商品について価格調整を行なった。
コンサルティング会社・卓創諮詢の常俊■(女へんに亭)アナリストは取材に対して、「中国のパルプの輸入依存度は60%以上で、2020年1-11月の輸入量は1.44%減少した」と述べた。
もしもスエズ運河の渋滞が短期間で解決できなければ、もともと供給不足気味だったパルプがさらに不足して、トイレットペーパーがより大きな価格上昇圧力に直面することになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月30日