読書のペースが本を買うペースに追い付かない?
本をたくさん買ったのに、いろんな理由でそれをまだ読んでいないという人は、劉さんだけではない。コミュニティサイト・豆瓣では、『買った本は山積み、見る本は雀の涙ほど』というグループが立ち上げられている。
グループには46万人以上が参加しており、その紹介には「本を買う時はコレクションに加えたいという強い思いにかられる。でも、それを読むとなると、時間がない、そんな気分にならない、機会がない、読んでも続かないと、いつも感じる」と書かれている。
その紹介で言及されているように、劉さんも、「本がたくさんたまっているのに、それを読むことができていない理由はたくさんある。仕事が忙しいだけでなく、生活の中でも、用事がたくさんある。だから、日々の読書の時間はきまってほとんどない」と話す。
一方、ある企業で働く朱薇さんは、「本をためるのが好きということは、読書に注目しているからだ。私はどれだけたくさん読めるかを追求しているのではなく、気に入る本が見つかった時の『獲得感』が大切だと思っている。読書には時間がかかる。時間はまだたくさんある」と話す。
Q&Aサイト・知乎にも、「『買った本は山積み、見る本は雀の涙ほど』という悪い癖をどうやったら治せるか?」という質問が寄せられており、「買う量を減らす」、「たくさん読む」のほか、「読み切れないと感じたら、すぐに『断捨離』する」などの回答が寄せられている。
韜奮基金会の聶震寧・理事長は、「『本をためるのは好きだけど、読む時間はない』というのは常にある現象で、それを過度に叱責する必要はない。実際には、それは知識欲と、それを満たそうとする行動であって、本をたくさん買うということは、読書に強い関心を持っているということで、良いことだ。本を買うというのは行為であるのに対して、本を読むというのは、とても時間のかかるプロセスだ。その二者を同時進行させることを求めてはならない。買ってきて、読書計画に盛り込んでいるものの、すぐには読めないという本もあるし、仕事のために買っておく本もあるから」との見方を示す。
しかし、良い本はやはりできるだけ早く読んだほうがいい。聶理事長は、「買った本は、できるだけ早く目を通したほうがいい。中には、すぐに読まないと、興味や楽しみが薄れてしまう本もある。そして、最終的にほこりをかぶってしまう。買った本に『さみしい思い』をさせてはならない」とアドバイスする。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月17日