9月10日は世界自殺予防デーだ。そして自殺を引き起こす原因の一つとしてうつ病が挙げられる。北京日報が伝えた。
女性の患者は男性の2倍
うつ病は「心の風邪」とも呼ばれている。なぜなら、うつ病は実はよく見られる病気だからだ。「21世紀に最も流行した精神疾患」と呼ぶ人もいる。その発病の原因は複雑で、生物学的要因、心理的要因、社会的要因のいずれとも関係している。
生物学的要因によるうつ病の発病は3種類の神経伝達物質、つまりノルアドレナリン(NE)、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)、ドーパミン(DA)の機能失調と一定の関係がある。このほか、遺伝学研究によると、40-70%のうつ病患者に遺伝傾向がみられた。しかし遺伝学的影響の作用方式は非常に複雑で、両親がうつ病を患ったからといって、その子供もこの疾患にかかるとは限らない。
また、女性のうつ病罹患率はおよそ男性の2倍となっている。これは、女性には青春期や妊娠期、周閉経期という3つの特殊な時期があり、体内のホルモンの変化が大きいためだ。女性は女性ホルモンレベルの低下によりうつ病が誘発されやすい。それに加え、女性は環境要因に対して比較的敏感なため、そのうつ病発生リスクが高くなっている。
心理的・社会的要因もうつ病の発病に重要な作用を及ぼす。例えば伴侶を亡くしたり、離婚や失業、学業における挫折、経済状況の悪化、病気など生活上におけるマイナスな出来事を経験すると、うつ病になる可能性がある。いくつかの状況が同時に重なった場合は、うつ病を罹患する可能性がさらに高まる。
また、児童期に良くない経験をし、比較的はっきりとした焦り・不安、強迫観念、衝動といった人格的特質をもつ人はうつ病になりやすい。
うつ病の診断基準は何か
精神疾患は身体疾患のように血液検査をするわけにはいかない。では医師はどうやってうつ病を診断するのだろうか?うつ病の症状は核心的症状と付加的症状の2つに大きく分けられる。核心的症状には以下の3つがある。
(1)抑うつ気分。長期間にわたってひどく気持ちが落ち込み、少なくともそれが2週間続く。毎日ほとんどの時間がこのような状態で、しかもほぼ環境の影響を受けない。
(2)普段興味を持っていたことに対する興味や喜びを失う。
(3)気力の低下や過度の疲労。別に何もしていないのに、全身に倦怠感がある。